プロの不動産業者がする売買時の不動産物件の調査事項とは?

不動産業者の中には賃貸がメインで業務を行っている為に、不動産売買における物件の調査をできない業者が数多く存在します。

一般の皆さんは知らない事ですが、これはかなりの確率で存在する事実です。

賃貸と売買が不動産業という同じカテゴリの括られ方をするので、仕方が無い事ではありますが、賃貸と売買は全く異なるものです。

うどんとラーメンが麺というカテゴリに括られているのと同じですね。

うどんとラーメンであれば、店先で判断できますが、不動産業者はなぜだか判断できません。

私の所にもたまに賃貸の問い合わせがありますが、丁重にお断りをしています。

だって、取り扱う事が無いですから。

欲張って「できますよ~」的な事を言ってしまうのが不動産屋さんな訳ですが、それで知らない間に損失を被っているのは一般ユーザーさんです。

ただでさえ詐欺師まがいの不動産業者が存在する業界なのに、まともな看板掲げていても、業務をまともにこなせない業者が存在するのですから、一般の方は入り口を間違えないようにしてくださいね・・・。

と言っても一瞬で見分ける方法って中々難しいですから、今回は売買時における売買のプロの不動産業者が調査する事項を見ていきますので、それらが理解できていない様であれば売買の素人の不動産業者だと判断しましょう。

Contents

不動産売買に関連する法律

まず確認すべき法律
  • 建築基準法

  • 都市計画法
この2つが一番最初に確認すべき、関連法規です。

簡単に言うと、

どういった地域で、建築する際にどのような規制があるのか?

という事を確認します。


そして以下の様な、その他の法律についての該当を確認し、クリアすべきはクリアするようにしなければいけません。
道路法
農地法
古都保存法
土砂災害防止対策推進法
流通業務市街地整備法
都市の低炭素化の促進に関する法律
国土利用計画法
都市緑地法
都市再開発法
水防法
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
生産緑地法
沿道整備法
下水道法
特定空港周辺特別措置法
集落地域整備法
河川法
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
景観法
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する
特定都市河川浸水被害対策法
土壌汚染対策法
海岸法
都市再生特別措置法
津波防災地域づくりに関する法
砂防法
高齢者、障害者の移動等の円滑化の促進に関する法
港湾法
地すべり等防止法
被災市街地復興特別措置法
住宅地区改良法
急傾斜地法
災害対策基本法
新住宅市街地開発法
公有地拡大推進法
新都市基盤整備法
森林法
大規模災害からの復興に関する法律
旧市街地改造法
宅地造成等規制法
森林経営管理法
マンションの建替え等の円滑化に関する法律
都市公園法
全国新幹線鉄道整備法
自然公園法
土地収用法
文化財保護法
航空法

意外と大変そうでしょ?

これらの法律を調査する事で、表面上の物件の問題が把握できるのです。

現場での調査事項

不動産を現場で確認する事は重要です。

法律はクリアしていても、現場がそうなっていないケースも多々存在しますので、現場調査は不動産業者のいろはの””なのです。

現場で最低限確認すべき事
  • 道路幅員
  • 道路の種類と接道状況
  • 間口・奥行
  • 水道管
  • 汚水排水
  • 雨水排水
  • 電柱の有無
  • 高低差
  • 境界
  • 現況と公図との相違
  • 嫌悪施設の有無
  • 事件事故の有無

その他の基本的な確認事項
  • 登記・権利関係の確認
  • 開発許可の要・不要
  • 測量の未済
  • 架橋の要・不要
  • 雨水放流の費用
  • 汚水放流の費用
  • その他法規制
  • 固定資産税額・滞納の有無⇒差押権者との折衝
  • 抵当権⇒残債の確認(場合によっては抵当権者との交渉)
  • 相続人の確認・相続権者の同意


生活をする上での権利関係に問題が無いかどうか?

建築時に問題はないかどうか?

それらについて費用が発生するのか?

等、現実の部分を調査し、ユーザーさんに説明をできるようにするわけですね。

不動産売買のプロと素人不動産屋との違い

不動産売買のプロと素人不動産屋との違いは、これまでに上げてきた項目を調査し、問題があれば解決法を見つけてくる事が出来るかどうか?です。

実際に現場で売買の実務を行っていれば、後々発生する問題をどれだけカバーし、不動産を加工できるか?という能力の有無の差ですね。

これははっきり言ってある程度のキャリアが無ければ理解できません。

キャリアを積んでも、日々改正される法律や運用の変化に対応しなければいけませんので、どれだけ日々精進しているか?という事も問われます。

大金が関わる不動産の売買です。

あなたは何を信用して不動産業者を選びますか?

せめて、上記の項目について細かく説明できる不動産業者を選んでくださいね。

物件調査事例1

具体的な事例を少しずつ上げていってみます。

まずはよくあるパターン。古家付きの宅地。



この写真を見て調査しなければいけない事は、

  • 解体工事
  • すでに老朽化の為使用に耐えれないため、解体工事が必要ですので、その工事費用。
  • 架橋の状態
  • 許可の有無と現況の強度。2m程しかない為更に架橋が必要なので、その申請費用と工事費用。
  • 水道管について
  • 少しわかりにくいですが、水道管がむき出しで水路上から取り出されています。古い管の為、その管径と引き込みし直しの必要性とその費用
  • 電線について
  • 平屋の建物のすぐ上空を他人の電線が飛んでいます。現状では2階建ての建物が建築できない状況なので、移設が必要です。
  • 造成工事について
  • 隣接地との高低差があり現状は石垣である為、擁壁の施工工事。また建物裏が農地の状況である為、土の改良工事。
  • 汚水・雨水の引き込みについて
  • 目の前の家が浄化槽を設置している・・・が、公共下水が前面にあり。雨水を含め、排水管引込工事について。

以上の様な事が最初に気づく現場での調査事項ですね。

2 件のコメント

    • 地域によって不要な地域(都心部や人口密集地などは特に)があるのかもしれませんが、土地改良区や水利組合へ納めるお金です。

      建築確認時や農地転用の意見書を貰う時等に必要になる費用となります。

      ㎡=いくらという基準の所や、年間降雨量の平均値から計算するところなど、団体によってその計算方法が変わります。

      不動産を購入される側に掛かる費用として、重要事項に記載する必要がある項目ですので、当然調査事項となります。

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