【図解】簡単!すぐわかる!相続の基本ルールを知ろう!

相続トラブルの話を仕事上よく耳にします。

基本ベースを押さえておけば、いざという時に割り切れるというか、相手に要求された場合でも本筋で答えることができます。

どうしても感情や歴史が絡んできて一筋縄ではいかないから、もめ事が発生する訳ですが、基本の基準を知っておく事で裁判沙汰になる事が無い様にしておきましょう。

法定相続とは?

相続とは(896条)
相続とは、被相続人の死亡により、被相続人に属する一切の財産上の権利義務が相続人に包括的に承継されることをいう。

ただし、被相続人の一身に専属する権利(免許等)は、承継されない。

相続には以下の3つの方法があります。

種類
内容
法定相続
民法で決められた人が決められた分だけもらう相続
遺言による相続
亡くなった人が遺言書により相続の内容を決める相続
分割協議による相続
相続人全員で協議して遺産の分割方法を決める相続

最初に「民法で決められた人が決められた分だけもらう相続」である法定相続についてみてみましょう。

基本となる法定相続の分配表
法定相続人
法定相続分
第1順位
配偶者

配偶者2分の1 子2分の1
第2順位
配偶者
直系尊属
配偶者3分の2 直系尊属 3分の1
第3順位
配偶者
兄弟姉妹
配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1

※子、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ複数の場合、原則として、等しく分ける。

分配表が理解できればほぼ理解できたと言えます^^

あとは細かい要件になります。

相続人及び順位、相続分

  1. 相続人の資格(886条)

  2. 自然人は、すべて相続人になれる。胎児も相続資格を有する。
  3. 相続資格の喪失
    • 相続欠格(891条)

    • 一定の重大な反道徳的行為を行うと、当然に、相続資格を失う。

      ※たとえば、詐欺又は強迫により、被相続人に相続に関する遺言をさせ、又はこれを妨げた者は、相続権を失う。

      また、相続に関する遺言書を偽造・変造、破棄、隠匿した者も、相続権を失う。
    • 廃除(892条)

    • 遺留分を有する推定相続人が、被相続人を虐待し、被相続人に重大な侮辱を加え、又は著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求できる。

      ※遺言による廃除も可能である。
    • 相続の放棄(939条)

    • 相続の放棄をした者は、初めから相続人とならなかったものとみなす。

  4. 相続人の順位及び相続分

  • 配偶者(889条・890条)

  • 配偶者は、常に、相続人となる。次の相続人の順位で相続人となるべき者があるときは、その者と同順位となる。

    ※内縁の妻又は夫には、相続資格はない。

  • 相続人の順位

  • ア)第一順位

    第一順位の相続人は、子である。

    イ)第二順位

    第二順位の相続人は、直系尊属(父母、祖父母等)である。

    ※第一順位の相続人がいないときに、相続人となる。
    ※直系尊属が数人いるときは、親等の近い者(世代が近い者)が、相続人となる。

    ウ)第三順位

    第三順位の相続人は、兄弟姉妹である。

    ※第一順位及び第二順位の相続人がいないときに、相続人となる。

  • 相続分(900条)

  • 被相続人は遺言で相続分を指定できるが、この指定がないときは以下の法定相続分による相続となる。

    法定相続人
    法定相続分
    第1順位
    配偶者

    配偶者2分の1 子2分の1
    第2順位
    配偶者
    直系尊属
    配偶者3分の2 直系尊属 3分の1
    第3順位
    配偶者
    兄弟姉妹
    配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1

    ※子、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ複数の場合、原則として、等しく分ける。
    ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は他の2分の1となる。

    文章で書くと頭がクラクラするかもしれませんが、遺言によって特に定めが無い場合においては、表の配分が基本となります。

    相続分の具体例


    よくあるこのパターンの場合で考えてみましょう。

    甲が死亡した場合、配偶者A・子供B・Cが相続人となり、各自の相続分は・・・

    配偶者A・・・2分の1

    子供B・・・2分の1(相続分)×2分の1(人数)=4分の1

    子供C・・・2分の1(相続分)×2分の1(人数)=4分の1
    となります。

    代襲相続の例

    子を飛び越えて、孫などに相続が発生するケースです。
    代襲相続
    相続人となりうる者が、死亡・相続欠格・廃除により相続権を失った場合に、その者の子坑代わって相続人となる(これを代襲相続という)。

    なお相続人となりうる者が相続の放棄をした場合、代襲相続は発生しない。

    ※相続人となりうる兄弟姉妹が、死亡・相続欠格・廃除により相続権を失った場合に、その者の子が、代わって相続人となる。

    兄弟姉妹にも代襲相続が認められるが、子の場合と異なり、兄弟姉妹の子(おい、めい)までに限られる。

    この図の場合、Aの相続人はB・D・F・Gです。

    各人の相続分は

    B・・・2分の1

    D・・・4分の1

    F・G・・・各8分の1(Cの相続分を2人で分割)

    代襲相続について、何となくわかりましたか?相続は図に書いてみれば簡単です^^

    遺産分割


    1. 遺産分割とは

    2. 相続人が数人あるときは、相続財産は、相続人全員の共有に属する(898条)。

      これを、各相続人に具体的に分配するのが、遺産分割である。

      相続人が数人ある場合に、相続財産中に金銭債権(可分債権)があるときは、その債権は法律上当然に分割され、各共同相続人が、相続分に応じてこれを承継する(判例)。

      相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払いを求めることはできない(判例)。

      通常、特に遺言での取り決めが無い場合は、相続人同士で遺産分割について協議します。相続分に基づいて分割していくのですが・・・

      その協議が成り立たない場合は家庭裁判所による調停で、遺産分割をします。

      それでも成り立たない場合は裁判で・・・
    3. 分割の実行(907条)

    4. 遺産分割について、共同相続人の協議が調わないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。

    5. 遺言による分割の指定又は禁止(908条)

    6. 被相続人は、遺言で分割の方法を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。

      また、遺言で、5年を超えない期間内で分割を禁止することもできる。

      特定の遺産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言は、特段の事情がない限り、遺贈ではなく、遺産分割の方法の指定である(判例)。

    7. 分割の遡及効(909条)

    8. 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することができない。

    9. 相続開始後の被認知者の分割請求(910条)

    10. 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人がすでに分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

    相続の承認と放棄


  • 承認・放棄の期間(915条)

  • 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、単純承認もしくは限定承認又は相続放棄をしなければならない。

    相続開始前の承認・放棄は、認められない。

    一度承認・放棄をすると、この期間内でも、撤回することができない。

    詐欺又は強迫による承認・放棄は、取り消せるが、その旨を家庭裁判所に申述する必要がある。

  • 単純承認(920条)

  • 相続の効果を全面的に受諾する意思表示である。よって、借金も無制限に引き継ぐことになる。

    相続財産を処分、隠匿等すると、単純承認したものとみなされる。

    何もせずに相続開始を知った時から3ヶ月を経過すると,単純承認をしたものとみなされる。

  • 限定承認(922条)

  • 相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務を弁済すべきことを留保して、相続を承認することである。


    ※相続人が数人あるときは、全員が共同してのみ、なしうる。

    ※家庭裁判所に申述する必要がある。


  • 相続の放棄(938条)

  • 相続の効果を全面的に拒否する意思表示である。

    家庭裁判所に申述する必要がある。

    初めから相続人でなかったことになる。

    相続でよくあるトラブルと注意点

    相続で起こるトラブルの多くが、お金の分配、つまり取り分に関する事です。

    誰それが面倒見た・・・税金を払い続けた・・・お墓の管理を・・・農地の管理を・・・

    それぞれがお互いの言い分をぶつけ合い、感情的になればなるほど、折り合いがつかなくなります。

    冷静に、基本的なルールを理解しておけば譲れるところも出てきますし、早めに話し合いをしておけば、モメ事も減ってきます。

    実際に骨肉の争いがおこり、精神的な疲労を積み重ねてしまう前に、十分に基本ルールについて理解しておきましょう。

    またその他でよく起こるのが、相続放棄の手続きを忘れてしまっているケースです。

    この手続きは非常に重要で、後からは認められないケースの方がほとんどです。

    ある日突然借金が降りかかったり、請求がやってきたりしますので、放棄をお考えの場合は必ず速やかに手続きを行いましょう。

    裁判所に用紙を提出するだけの簡単な手続きです。

    第3者のローンの保証人であったりと、あなたの知らない負の財産がある可能性もありますので、その場合は放棄や限定相続を考えておいた方がいいかもしれません。

    これらのトラブルについては改めて実例を紹介していきたいと思います。

    遺言について知ろう!

    遺言とは(960条)
    遺言とは人が生前に死亡後の遺産の処分等に関して行う意思表示であり民法に定められた方式によらなければ効力を生じない。

    1. 遺言能力(961条)

    2. 15歳に達した者は遺言をすることができる。

      ※未成年者も法定代理人の同意を得ずに単独で遺言をすることができる。

      被保佐人被補助人も単独で遺言をすることができる。成年被後見人は事理を弁識する能力を回復したときに限り二人以上の医師の立会いのもとに単独で遺言をすることができる(973条)。

    3. 遺言の方式

    4. 遺言の方式には普通方式と特別方式があり普通方式の遺言には

      • 自筆証書遺言

      • 公正証書遺言

      • 秘密証書遺言

      がある。

      ※2人以上の者が同一の証書で遺言することはできない(共同遺言の禁止)。

    5. 遺言の撤回(1022条)
    6. 遺言者はいつでも遺言の方式に従ってその遺言の全部又は一部を撤回することができる。この撤回権を放棄することはできない。

      ※前の遺言と後の遺言が抵触するときは抵触する部分については後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされる。

      ※遺言と遺言後の生前処分行為が抵触するときはその遺言を撤回したものとみなされる。

    7. 遺言の効力(985条)
    8. 遺言は、遺言者の死亡の時から、その効力を生じる。

      遺言は、条件が成就した時から、効力を生ずる。

    9. 遺贈
      • 遺贈とは(990条)
      • 遺贈とは、遺言による贈与であり、特定の財産を贈与する特定遺贈と、全相続財産の一定割合を贈与する包括遺贈がある。包括遺贈を受けた者(包括受遺者)は、相続人と同一の権利義務を認められる。

        いずれの遺贈も、遺言者の死亡前に受遺者が死亡すれば、効力を生じない(994条1項)。

      • 遺贈の承認・放棄(986条・990条)
      • 包括遺贈は、受遺者が自己のために遺贈があったことを知った時から3ヶ月以内に、承認又は放棄をしなければならない。

        特定遺贈は、相続開始後、受遺者は、いつでも承認又は放棄をすることができる。


    10. 遺言の執行
      • 遺言書の検認(1004条)

      • 遺言書の保管者は、公正証書遺言を除き、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。


        ※検認は、偽造等を防ぐために遺言の執行前に、遺言書の形式その他の状態を調査・確認するものであり、検認手続を経ないからといって、遺言が無効になるわけではない。

      • 遺言執行者の指定(1006条)

      • 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託できる。



    相続の遺留分について

    1. 遺留分とは
    2. 遺留分とは、被相続人がどのような遺贈等を行おうとも、特定の相続人に保障される相続財産の一定割合である。
    3. 遺留分権利者(1028条)
    4. 遺留分を有する者は、配偶者、子(その代襲者を含む)、直系尊属であり、兄弟姉妹は遺留分を有しない
    5. 遺留分の割合(1028条)
    6. 遺留分は、原則として、相続財産の2分の1である。
      ※ただし、直系尊属のみが遺留分権利者である場合(相続人である場合)は、相続財産の3分の1である。

      そして、全体の遺留分を相続分の割合によって分けたものが、各自の遺留分となる。
      B=2分の1(遺留分)×2分の1(法定相続分)=4分の1

      C~E=2分の1(遺留分)×6分の1(法定相続分)=12分の1ずつ

      がそれぞれの遺留分となる。

      「誰か一人に相続する」という遺言があっても、各自の遺留分は請求できるんです^^
    7. 遺贈又は贈与の減殺(1031条)
    8. 遺留分を侵害する遺贈又は贈与が行われたときは、遺留分権利者は、その減殺を請求できる(行使につき、特段の方式はない)。

      ※遺留分を侵害する遺言(たとえば、相続人以外の者に全額相続させる等も有効であり、減殺請求をしなければ、遺留分をもらえない。

    9. 減殺請求権の消滅導効(1042条)
    10. 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効により消滅する。

      また相続開始時から10年を経過したときも、同様である。

    11. 遺留分の放棄(1043条)
    12. 相続開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

      ※相続権を失うと、当然に、遺留分も失う。しかし、遺留分を放棄しても相続権はなくならない(通常の法定相続分を取得できる)。

      ※共同相続人の一人が遺留分を放棄しても、他の相続人の遺留分は、変わらない。

      AがFに全財産を遺贈した場合
      ※Cが遺留分を放棄しても、B・D・Eの遺留分は変わらない。

    遺言のポイント

    遺言は書き方や保管方法、そして3種類の方法があり、できれば公正証書にしておくのが望ましいでしょう。

    書き方等については改めて^^

    そして後のトラブルを防ぐためにも、誰か一人にその財産を引き継がせるのではなく、遺留分の請求が無意味になる程度の割合での別けておくと良いでしょう。

    気持ち的に納得できない場合があるかもしれませんが、逆にトラブルを引き起こす可能性が高く、ストレスを与えかねません。

    残された兄弟や、親子での骨肉の争い程、収拾がつかないものはありません。

    仲の良かった身内同士で裁判になってしまう例を幾度も見てきましたので、余計にそう感じてしまいます。


    まだまだ分かりにくい部分が多々あるので、少しずつ細かく解説をつけ足していきますね^^





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