宅建・不動産の免許と実務は似て非なる物?資格だけではド素人!?

「宅建、不動産、免許、実務、素人」などで検索された方向けのページです。

驚くべき質問というか、相談を目にしてしまいました。

が、案外現実である事も、事実です。

「20年以上この業界にいる!」

なんていう資格者が、全く実務が出来ない事もありますし、

「お前マジか!?」

なんてことをやったり、言ったりする場面を何度となく見てきているので、あくまで宅建の免許は最低限必要な物で、実務をこなさなければ ⇒ トラブルなり自己啓発を経験しなければ、その戦闘能力は上がる事は無い事を、身を持って知っています。

ここでは、宅建の免許を持っていれば立派な不動産屋であるという感覚は、全く間違いである事を知ってもらいたいと思います。

宅建の免許・不動産業の免許を掲げているド素人


不動産物件調査の手順と方法を教えてください。
宅建に合格し、会社で不動産業を立ち上げました。建設業の会社なので建築士もおり、建設の現場経験者もいますが、一切教えてくれません。

自分で調べてもがいてやってとのこと。
現在、会社所有の土地があり、それを売るようにと言われていて看板は作りました。
重説や契約書を作成するために、現地調査や役所での調査が必要ですが、何をどうしたらいいのかわかりません。
実務テキストもありますが、手順までは書いておらず、大雑把にしかわかりません。
現地調査の方法から、できるだけ細かく教えてほしいです。
業者の皆様は、どのようにして調べているのか教えてください。  引用元:知恵袋


宅建の資格を取っても、不動産業の免許を取得しても、実務経験が無ければ残念ながら、これが現実です。

そんなに甘い簡単な世界ではありません。

一部、甘い部分もありますが、それはどの業界でもそうでしょう。

仮に1年やそこいらの経験があったとしても、余程の事や努力が無い限り、リスク回避能力は身に尽きません。

不動産業の免許や宅建の資格の存在意義は、

一般ユーザーのリスクを減らす事、トラブルを回避してあげる事

にあります。

私に言わせれば、この方は確かに免許は取得されたのでしょう。

しかし、自分優先会社優先利益優先の愚かな行いに見えます。

リスク回避能力が無ければ、免許なんてあっても意味がありません。

それこそ、AIにでも任せておいた方が、書面上、表面上の仕事は完璧にやってくれるでしょう。

私が同じ立場であれば、間違いなくどこかに修行に自ら行くか、もしくは実務経験者を雇用します。

「事件は現場で起こっているんだ!」

というセリフがありましたが、まさにその通りですね。

このままであれば、失敗を前提とした取引が、数年間行われかねません。

知っている事と、出来る事は全く違うという事を認識しておらず、不動産取引を甘く考えているとしか思えない、ふざけた質問です。

不動産を購入しようとする人の多くは、ローンを組み人生を賭けて購入します。

不動産を売却する人は、自分の子供を嫁に出す気持ちで売却します。

人の想いが詰まっている取引を、全く理解していない、「取り合えず儲かりそうだからやっとこう!」という意識すら感じてしまいます。


不動産業界歴20年のベテランと言うド素人の実例

これは現在私が相談を受けている案件の実話です。

素人不動産屋の実話
  • 売主は、業界歴20年以上と自分で言っている、不動産業者です。・・・実際に免許年数はあります。

  • 本業は建築・設計です。

  • 4区画の分譲です。


  • 当初この様な形で、分譲販売されていました。

    立地はそこそこ良い所でしたが、中々売却が成立せず、1年程売れていない状況でした。

    経費節減の為、給水管が北側道路より分岐されたため、区画の中央に給水と排水の為のスペースが設けられていました。

    本来はこの部分は全区画の所有者の共有部分とするのが正しいでしょう。

    進入路についても利用形態から考えて、全員の共有もしくは地役権の設定等が実務的な処理方法ですね。

    そんな状況の中で、区画1と区画3について、一括での購入者が現れました。

    その購入者の希望で、区画1と3を隔てている、給水スペースについて、フラットで一体敷地として利用できる形での購入を条件とし、売買契約が成立しました。

    その方が購入し建築も終わり、また1年が経過しました。


    やがて区画2についての申し込みがあり、売買契約となりました。

    その段階では図の様な状態で、本来共有で処理すべき給水・排水の為のスペースが、区画1の購入者の所有となっていました。

    区画2については、既にそのスペースからの給排水管のつなぎこみがされており、売主はそれをそのまま利用できると考えていたようです。

    が、実際に建築が始まってから問題発生です。

    何と、区画2については給水と排水(汚水)のつなぎこみは完了していたのですが、雨水の排水先が無かったのです。

    区画2から雨水を放流するには、そのスペースを利用し北側へ放流する、もしくは進入路を利用し東側水路へ放流するしかありません。

    東側水路へ放流するには、施工したアスファルトをはぎ取り、工事代金諸々が高くつく状況でした。

    そもそもの計画は、スペースを利用して雨水を排水する計画だったようですが、建築も終わり生活をしている敷地内を工事する訳にはいきません。

    単有で保有している部分でもあるので、当然同意も必要となります。

    そもそも進入路を利用して、全ての給水排水設備を抜いていればこの様な問題は怒らなかったはずですが、目先の工事代金をケチった事と、深く考えず区画1の購入者の要望をそのまま実現した為に起こってしまった出来事です。

    落ち度は完全に売主の不動産業者にあるのですが、売主は問題解決に対して、金銭的負担を負う事を渋り、自ら動こうとはしなかったのです。

    問題点
    • そもそもの工事計画が素人
    • 後のトラブルを想定できない
    • 自分の利益しか考えていない


    結果的に全てを丸く収める為に、建築業者が工事代金を値引きし、その分で購入者が負担し工事をすることになりましたが、建築屋さんからしたらタマッタもんではありません。

    その後区画4についてもトラブルが発生する訳ですが・・・。

    要は、免許を持っていようが、20年以上の年数があろうが、実務経験が無い場合はお話にならないという事です。

    仮に実務経験が無くても、後始末をするだけの心があればまだ成長は見込めますが、この事例のように責任を取らない、逃げる輩は未だに存在します。

    皆さんが、この様な免許を持ったド素人に引っかからない事を祈るばかりです。

    回避する方法は・・・また改めて^^

    コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    アバター画像

    宅地建物取引士・行政書士です。 農地の売買、農地転用、任意売却、離婚相談、相続相談をメインに実務を毎日こなしています。 困った時はぜひご相談を!