昨年、金融機関の職員がグルになって不正融資を行っていた案件に携わりましたが、今年も早速かなり危険な案件に出くわしました。
昨年の案件については内部的処分で終わらせ、その職員は退職し、現在某建築メーカーの役員として収まっているようです。
要は、その悪い建築会社からのキックバックがかなりの件数あったと見られ、余りの担保割れと1~2年での事故率が高かった為に発覚しましたが、刑事事件までには至ってないパターンですね。
で、今回は明らかに融資したらダメな人に、ダメな担保を取り融資を行っている形です。
担当者は既に・・・
ここからは私がどこまで正確に知るようになるかは成り行き次第ですが、不動産屋の裏側ならぬ、金融機関の裏側についてその一端を見ていきましょう。
不正融資案件なのかしら?
負動産の概要
- 土地:宅地及び雑種地・公衆用道路を合わせて2,600㎡
建物:260㎡ 昭和61年築 鉄骨造2階建 倉庫
平成25年に金融機関の担保設定あり(極度額 1500万円) - 土地:380㎡ 宅地
建物:123㎡ 居宅 平成25年築 木造2階建
ざっくりですがこんな感じの内容です。
平成25年に金融機関が担保設定していますので、通常であれば調査の上、担保評価されていると考えられますが・・・。
実際の評価、価値は?
平成25年当時の前提で私が評価しますと・・・平成25年当時の査定
- 土地評価額:1500万円
建物評価額:200万円
固定資産評価額で合わせて1,700万円程ありますが、実際は価値0~ マイナスだと判断します。
※再建築不可であり、進入の為の権利がある通路が無い状況です。 - 土地評価額:500万円
建物評価額:800万円
固定資産評価額で合わせて1,300万円程ありますが、
土地:100万円
建物:1,500万円(新築時)・・・当時の建築価格ならこれくらいです。
計1,600万円程度と判断します。
合計 ~1,600万円
担保評価が1,600万円の物に5,000万円以上の貸付(無担保も合わせると)は、余程本人に信用や財力が無ければ借り入れできません。
ましてや自営業者ともなると、通常は厳しく見られ、担保価値の8掛けなんてことは当たり前です。
ではやはり、借り入れした本人に余程の信用があったのでしょうか?
否・・・
たまたま私の知人廻りで数人、知り合いがいたのですが、無免許でのモグリ業者で、常に誰かにお金を借りようとしていたという証言をその数名全員から聞きましたので、これも少し無理があります。
で考えられるのが、
金融機関の担当者を巻き込んで不正融資を行ったのではないか?
という事です。
まともな金融機関であれば、今の時代あり得ない事ですが、今回は地方の信用金庫のプロパローンなので、状況によってあり得ない事ではないようです。
あくまで推論ですが、差額が3,500万程ありますので、500万くらいキックバックを貰って審査を通す形を取ったのではないでしょうか?
でなければ、再建築不可で通路が無い不動産に対して融資をするなんてありえません。
公図や全部事項を見れば一目瞭然なのですから。
誰かがどこかのタイミングで書類を偽造するなりしなければ、通常は決済が下りるはずがありません。
こちらへ責任転嫁するつもりなのか?
私はこの物件について、任意売却での関りを持っています。正直、マイナスな不動産を多少でも回収したうえで損失を減らせる話ですので、金融機関からするととても良いお話のはずですが・・・
そんな価格では抹消に応じれません。1,000万円以上は頂かないと・・・
というクレイジーな返答がありました。
誰かが何かしらの責任を問われるのか、ただ単にわかっていないだけなのか知りませんが、
買い手側でその損失をある程度負担しろ!
と言うように聞こえてしまいました。
仮に競売の調査が入ったとすると、こちらで提示した価格よりもはるかに下の数字になるのは明白ですし、恐らく不調になるでしょう。
今後、競売になる可能性が高いですが、当時の担当者に対しての調査がきちんと行われ、損失や行動について何かしらの責任ある結論が出ることを祈るばかりです。
その責任をきちっと負って頂いて、当方のありがた~い申し出を受けて頂けると尚幸いです。