こんな感じの古い建物は正直、利用価値がほとんどありません。
ここまで古くなくても、昭和の建物で、耐震上問題がある様な建物は、正直マイナス評価になってしまいます。
これは、古いから価値が無い事もありますが、世の中の価値観がこの数十年の間に、激変してしまっているからです。
耐震性能も然り、断熱性も然り。
今の基準に全く適合していないからです。
もちろん、中には歴史的価値がある様なものもありますが、そういう種類の物は極々稀です。
という事で、今回はそういった古家があるが、価値が無い=むしろマイナス評価 である不動産の売却についての一例をご紹介します。
古家付きの不動産の売却事例
物件概要
土地:495.83㎡ 宅地
建物:昭和53年築 木造2階建て 134.5㎡
接道:北側(14m接道) 市道 幅員4m
簡単にこんな感じの物件でした。
まず、この状況ですぐに考えるのが、
建物が利用価値があるか?
という事です。
空き家になって5年以上経過しており、手直しにかなりの費用を要してしまう状況の建物でしたので、「解体した方が早い」と判断しました。
また次に、495㎡と敷地も広く、2区画分は十分とれる広さなので、区画分割して売る方法を考えます。
これは、広すぎると総額が膨らむので、購入者が限定されてくる為、購入者が購入しやすい価格帯に区切ってあげる事で、販売の可能性を上げていく事を目指します。
もちろん、一括での購入もできるように考える訳ですね^^
棚にいつまでも陳列して売れない商品よりも、現実に売れる方が、はるかに賢い選択ですから。
もちろん、一括での購入もできるように考える訳ですね^^
棚にいつまでも陳列して売れない商品よりも、現実に売れる方が、はるかに賢い選択ですから。
この事を勘違いして、所有する不動産にいつまでもあり得ない価値があると考えてしまっている方は、案外と多いです。
あくまで需要と供給のバランスの上に価格が成立している事を強く理解するべきだと思います。
形としてこの様な形状に区画する事になりました。
実際の経費と手取り
分割区画する時の必要経費
- 解体費用
- 測量・分筆費用
- 造成費用
- 進入路部分は無償提供
ここまでやって、初めて相場の価格を主張できるのです。
面積が大きいままでは購入者が減る為、単価を低く設定する必要がありますし、相場が坪=100,000円 だから 150坪で1,500万円にはならないんですね。
入金の部
単価 |
面積(坪) |
金額 | |
---|---|---|---|
区画1 |
100,000 |
59.74 |
5,974,000 |
区画2 |
100,000 |
59.74 |
5,974,000 |
進入路 |
0 |
30.25 |
0 |
合 計 |
全体面積 |
149.73 |
11,948,000 |
出金の部
代書費用 |
50,000 |
---|---|
仲介手数料 |
516,000 |
測量・分筆 |
600,000 |
解体工事 |
1,000,000 |
滅失登記 |
3,000,000 |
印紙代 |
4,000 |
合計 |
5,170,000 |
入金 |
出金 |
計 |
---|---|---|
11,948,000 |
5,170,000 |
6,778,000 |
ほぼ現実と同じ数値の実例です。
結果的に、坪あたり約68000円で売却した形となりました。
結果的に、坪あたり約68000円で売却した形となりました。
相場=坪10万円の中身を把握できれば、この事例は当たり前の事なのですが、一般の方には中々理解というか、心情的に納得しにくい部分があるかもしれませんね。
今回の例でいくと、50~60坪程度の広さの場合で、宅地として出来上がっている情況で、坪10万円というのが相場であった訳です。
相場が指す意味を、広さや状況をきちんと考慮した上で把握しておく必要があると言えます。
皆さまがお持ちの不動産を売却されるときの参考になれば幸いです。