残念な売主さん・・・それは逆効果満点ですよ!?売主の失敗例

良かれと思ってする行動が逆効果満点な事ってありますよね?

不動産の売却において、売主様が行う行為の中にもそういう行為があります。

先日、久しぶりにそういう現場に出くわしてしまったので、反省も込めてご紹介したいと思います。

中古物件案内時の出来事


それは、とある中古住宅の案内の時に起こりました。

通常ですと空き家になっている場合は、鍵をお預かりしてこちらで責任をもって開け閉めをし、物件の案内をするわけですが・・・。

「どんな人かも確認したいから、その日に鍵を開けに行きますね」

と言われ、その日の午後に2組のお客さんを案内することになりました。

ここでピンと来ていれば良かったのですが、まさかまさかそこまで?という状況が生まれてしまいました。

1組目のお客さんの段階で、彼の暴走が始まりました。

物件の案内をしながら聞き取りをしていくのが営業マンの仕事なのですが、なんとこの売主さん、1から100まで自分で説明と聞き取りを開始し、私の入り込む余地をほぼ与えてくれません。

基本的に私のスタンスは、投げかけて相手に話してもらう、質問をもらうパターンが多いのですが、一応相手の顔色を伺いながら行います。

その人は単に、簡単に見るだけがしたかったのかもしれませんし、お金の事や相談したい事があったかもしれません。

何度か話の腰を折って、ゆっくり見れる状況と、質問をお互いに出来る形へと持っていこうとしたのですが、彼も中々の暴走列車です。

そんなこちらの意図は全く気にもせず、勝手に話を押し付け続けてしまいました。

まだ優しく相手をしてくれる方だったので、売主さんには何も言いませんでしたが、私には何度か嫌な顔をみせられました。

その都度割り込んで、話を遮りはしたのですが、暴走列車はお構いなし・・・。

自分がしゃべり続ける事で、お客さんが納得なり感動してイイ物だと思ってくれると考えているんですね・・・。

売りたいのはわかるのですが・・・。

売主がしゃべっていた事を簡単にまとめると

  • この家のココが凄い
  • こだわりがあってお金をかけている
  • とにかく値打ちのある家だ
  • 建てた当時は○○千万かかった

  • と、要は「この家は凄いんでっせ!?」と言う事を終始語っていたのです。

    メリットを語ってくれていいのでは?なんていう人もいるかもしれませんが、後程なぜこれがダメなのかについても説明します。

    1組目でさすがにこれはマズいと思った私は、2組目の方が来られる前に、

    「逆効果になるかもしれませんし、売主さんの前では本音も言いにくいですから、外で待機してもらってもいいですか?」

    というお願いをしました。

    「わかりました」

    と了承してくれたので、一安心して次の方をお迎えしたのですが・・・

    ものの1分も我慢できずに入ってきて、またも同じ攻撃を・・・。

    あげくには相手の住まいや家族構成まで聞き出そうとする始末です。

    それは私の仕事であり、既に把握している事です。

    さすがに、1組目の方よりも若いご家族だったのもあり、明らかに嫌がっている部分が目につきました。

    とりあえず、奥様だけの相手をする形を取り、お詫びをしつつご機嫌を伺う私・・・。

    結局同じように、本音は聞けずじまいでした・・・。

    2組ともダメである事は既に肌で感じていましたが、暴走列車はどちらかが買ってくれる手ごたえを掴んだ!と言って上機嫌でした。

    売主から私が信用に足らないと判断されているのかもしれませんが、根本的に間違っている部分があります。

  • そのメリットは相手にとってのメリットか?というと決してそうではない。
  • 売主の前では本音は言いにくい
  • 昔と違い、情報は自分で精査したいのが今のお客さん
  • ・・・必要な事だけ教えて欲しい、という方が増えている
  • 自分が言いたい事だけ言い切れば気持ちはいいが、相手は多分逆の印象

  • と言う事です。

    はた目から見て、一生懸命値打ちを言っていた部分は、ほとんど普通の事です。

    逆に、それは安もんというか、わざわざ「○○○万円かけて・・・」という所ほど、残念な状況のものでした。

    要は、あなたは新築時にそれに思い入れを感じたのでしょうけど、買う側からしたら必要ないし、なんならリフォームでやり直す部分であったりします。

    売主が目の前にいて、やたら褒めまくる事で、自分の本音は言えなくなってしまいます。

    もちろん、お金の部分・・・金額の話なんかもしにくくなります。

    その場で本音を言わなかった人は、一度ホームへ帰ればホームの中で本音を言うでしょう。

    しかし、その後私がお尋ねしても、どこまで本音で話してくれるかは、私とお客さんとのコミュニケーションの状況によります。


    本来、営業マンは商品を売るうえで、商品のメリットは当然ですが、

  • 自分を売る

  • 会社のポリシーを売る

  • 事も重要です。

    今回はお陰様で、その部分はできておりません。

    もちろん私の力不足が招いた結果ですが、インターネットで情報のほとんどを入手してきてくれるのが現在のお客さんの主流です。

    いらない部分の話はしたくない、聞きたくないからネットで情報を集めるという部分があります。

    買うかどうかも分からない段階で・・・仮に買う事を前提に見に来たとしても、今回の様な現場であれば、嫌気をさしてしまう可能性は高いです。

    昔は自分の意見を押し付ける・・・無理矢理納得させるような営業スタイルもあったと思いますが、今のお客さんは賢いです。

    自分に必要性が無い事にはメリットは感じませんし、聞く必要もありません。


    北風と太陽のお話と同じですね。

    一生懸命力を入れても、風邪を吹き付けても服は脱いでくれません。

    ジワジワと照り付ける太陽が最終的に服を脱がすのです。

    あなたの意見が正しくても、相手が共感するかどうかは別物であり、無理に押し付ける行為は引かれるだけの逆効果だと言う事です。

    今回のお客さんについては、お詫びをしてお断りをこちらからしてみるつもりです。

    結果ダメであれば、売主さんと緊急ミーティングですね。

    任せてもらえないならば、こちらから辞退させて頂こうと考えています。

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