いらない山だけを相続しないようにできるのか?
被相続人が所有していたいらない山などを相続する際、相続人はその不動産を売却するのが困難で、固定資産税や維持管理費といった負担に悩まされることがあります。
こうした負担を避けるためには、不要な負動産を相続しないように工夫することが大切です。
ここでは、いらない山を相続せずに済む5つの方法についてご紹介します。
目次
いらない山だけを相続したくないのですがどうしたらよいですか?
いらない山などの負動産を相続しないための5つの方法
- 遺産分割協議と相続放棄の組み合わせ
- 生前贈与と相続放棄の組み合わせ
- 遺言と相続放棄の組み合わせ
- 相続土地国庫帰属制度の活用
- 負動産の引き取りサービスの利用
4つ目の方法は、すでに相続してしまった場合に不動産の所有権を放棄する手段です。
5つ目は、相続前でも後でも利用できる方法で、特におすすめです。
もし1~3の方法が取れなかった場合でも、4・5は非常に役立つ選択肢です。
遺産分割協議と相続放棄の組み合わせ
まずは、遺産分割協議と相続放棄を組み合わせる方法です。たとえば、父が負動産を所有していた場合、相続人である母と長男、次男の3人が遺産分割協議を行い、母がその負動産を相続するという取り決めを行います。
そして、母が亡くなった際に、長男と次男が相続放棄をすることで、不要な負動産を相続しなくて済むようになります。
この方法では、遺産分割の段階で適切な戦略を立てることが重要です。
生前贈与と相続放棄の組み合わせ
次に、生前贈与と相続放棄を組み合わせる方法です。例えば、父が負動産以外の財産を生前に長男と次男に贈与し、相続時には負動産しか残らないようにします。
父が亡くなった後、母と長男、次男が相続放棄をすることで、不要な負動産だけを相続しないという選択が可能になります。
遺言と相続放棄の組み合わせ
また、遺言を活用する方法もあります。父が遺言書を作成し、負動産以外の財産を長男と次男に特定遺贈することで、長男と次男は相続放棄を行い、負動産を相続せずに済むようにします。
遺言書を活用することで、相続の手続きを円滑に進めながら負動産を避けることが可能です。
相続土地国庫帰属制度の活用
もう1つの選択肢は「相続土地国庫帰属制度」です。これは、相続した土地を手放したい相続人が国に土地を引き渡す制度ですが、利用には条件があります。
例えば、申請時に20万円以上の負担金や、土地の解体や測量が必要になる場合があります。そのため、現段階では利用しやすい制度とは言えません。
今後の運用次第では、使いやすくなる可能性もありますが、現時点では利用には注意が必要です。
詳しくはこちら:相続土地国庫帰属制度について詳しく知る
負動産の引き取りサービスの利用
国庫帰属制度が利用しにくい場合には、民間の「負動産引き取りサービス」を利用するのも一つの手です。費用面で軽減できることもあり、相続後に負動産を引き取ってもらえる便利なサービスです。
参考
負動産最終処分場
いらない山の相続放棄のデメリットは?
相続放棄のデメリットとしては、まず、山林を放棄することでその資産が他の相続人に引き継がれる場合があります。これにより、相続人間でのトラブルが発生する可能性があります。
また、放棄することで税金の負担からは解放されますが、将来的に山林を利用して収益を上げる可能性を失うことにもなります。
正直、そんなにデメリットは無い気がします。
山を相続する、所有するデメリットは?
- 収益性が低く、不動産としての価値がほとんどない
- 林業は短期で利益が得られず、中長期的な視野が必要
- 立木の維持管理やメンテナンスが必要
- 倒木や土砂崩れなどの自然災害リスクがある
- 山林では廃棄物やごみなどの不法投棄が多い
- 境界が不明であったり、場所の特定が出来ないケースも多い
- 伐採やメンテナンスをする場合に、隣接者やそこに辿り着くまでの所有者の同意を求める行為が必要であったり、かなり面倒な手続き
- 共有で所有していて、共有者がどこの誰だかすらわからないケースが多々存在する
等々、デメリットはいくらでも出て来ます。
昔は・・・昭和の時代は林業でお金になっていたかもしれませんが、現在ではそのような価値を有している所を探す方が難しい状況です。
なるべく早くに、将来の対応策を用意しておくべきでしょう。
いらない山を相続しないために
これらの5つの方法を組み合わせることで、いらない山などの不要な負動産を相続しない選択肢が広がります。状況に応じて適切な方法を選び、相続に伴う負担を最小限に抑えることが大切です。
ご心配やお悩みであれば、ぜひご相談下さい。
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