〇〇ハウスの建物ですから、建物の価格は高く評価できます・・・
なんて言う無責任な査定を行う業者が存在します。
系列会社で建築しているので、本当の意味での原価法での査定を行えない実態がそこには存在するのです。
大手メーカーだから家の価値があるという大嘘
実際に査定を行う立場からすると、少しでも高く言ってあげたいという気持ちは存在しますが、現実とのギャップがありすぎると逆にそれが不親切になってしまいます。冒頭のセリフの様に頭の悪いとしか言いようがない査定価格を出してしまう、大手の不動産業者が存在している現状に日々怒りを感じています。
そもそも建物の査定を行う際の方法が違うのか?
〇〇ハウスはブランドだから高い査定価格なのか?
答えは否!
系列の不動産業者が勝手に高く言っているだけなのです。
系列の不動産業者以外の評価はどうなのかを見るとその事が浮き彫りになります。
- 金融機関の評価 金融機関は独自で基準を持っています。
- 木造であれば㎡=〇〇万円
- 鉄骨造であれば㎡=〇〇万円
- 鉄筋コンクリート造であれば㎡=〇〇万円
- 公共団体の評価 地方公共団体も基本的に同じです。
- 不動産鑑定士の評価 不動産鑑定士による鑑定評価が一番細かく評価されるもので、公的査定価格とされる種類のものですが、ここでも当然〇〇ハウスの御意向は存在しません。
土地と家を担保に取る訳ですから、当然ですよね。
といった形で基準となる価格を持っています。
これは新築時の価格で、耐用年数と経過年数から割り出していきます。
〇〇ハウスだからという、訳の分からない付加価値は存在しません。
実際に使用されている部材のグレードと、面積で評価をします。
中身が一般に流通している建具や、クロス仕上げのものであれば普通に㎡×〇〇万円と評価します。
普通の一般人が住む家については、〇〇ハウスというブランドのプラスは当然存在しません。
税務署なんかもそうですね。
減価償却していくものであって、原価が判らない場合は㎡=〇〇万円で計算されます。
周辺価格や建物の劣化の状況、使用状態などを勘案し、㎡=〇〇万円の再調達原価から割り出していきます。
基本的な前提として、同じ建物を建てた時にどれくらいの価格で出来るのか?=再調達原価が原価法での建物の価格算出の前提となっている為、3,000万円していようが、4,000万円していようが、2,000万円の再調達原価のものは2,000万円から算出されるのです。
再調達原価がおかしいのではなく、その差額がハウスメーカーの利益と捉えるのが正しいのです。
再調達原価がおかしいのではなく、その差額がハウスメーカーの利益と捉えるのが正しいのです。
〇〇ハウスオリジナル・・・なんていう謳い文句や立派な展示場、イベント、販促グッズ等の経費と利益が乗っかった状況の物を購入している訳なので、仕方ない部分なのです。
確かに〇〇ハウスオリジナルという名の、似ているが代替えが利きにくい部材も存在します。
しかしこの事は10年後、20年後にまた更に高い〇〇ハウスオリジナルの部品・部材を仕入れなければいけなくなるデメリットもある為、オリジナルなるものが良い物かどうかは・・・。
立場上原価を把握できる立場にいるので、余計に高く感じてしまうのかもしれませんが、原価で仕入れれる立場からすると余分な利益については、建物の査定から除外するのは当たり前な事なのです。
「これだけの値打ちがあるんですよ~」と言っているのは〇〇ハウスとその不動産業者だけであって、第3者の目から計算するフェアな査定をしなければいけません。
もちろん本人がそう思い信じ切るのは自由なのですが、損失を被るのは売りたい本人です。
大手メーカーのメリットって何だ?
ここまでの説明で、大手メーカーで家を建てた場合には中古住宅として査定する際には、「価格的メリットは無い」という結論です。高い利益を払っているのだから、何らかのメリットがあるでしょ!?
と思われる方も多いはず。大手メーカーのメリットについて考えてみましょう。
こんなところでしょうか。
そうなんです。建てた人の満足度の問題なんです。
他人から見てそれが素晴らしい物なのかどうなのかは、物差しが同じでなければ感じ取る事が出来ません。
いい素材が使われているかどうか?が分かる人にとっては、〇〇ハウスの素材も〇〇ホームの素材も変わりありません。
グレードが違っている可能性はありますが、グレードを合わせればいいだけのこと。
査定に行って
ウチは〇〇ハウスで建てたから、いい物使ってるし、他所よりははるかにいいのよ!?
なんて言われることが良くありますが、話を合わせつつもそれを本当にいい物だと思う代物に出会う事は稀です。
え、普通の・・・。残念!
本人が満足している分には何ら問題ありません。
ヴィトンの財布と似て非なる財布とでは、確かに品質が異なるかもしれません。
しかしブランドに興味が無い人にとっては、使い勝手や自分の好きなデザインを重要視するのと同じで、買った本人の満足度の問題なのです。
ヴィトンの財布も中古になればガクンと値落ちしますよね?
それでも繰り返し需要があるから値段が付く。
一生に一度の家ともなれば、〇〇ハウスはセールストークには使いますが、実際にその事に魅力を感じるかどうかは完全に別問題です。
最大手の〇〇ハウスですら、そのシェアは余裕で10%未満です。
もうお分かりですね?
あなたが思うほどの価値は他人にはないのです。
そして、家の査定をする際は当然にその部分は無いものとして査定するのが基本なのです。
「いい家だったわ^^」で、その満足は自分だけに留めましょう。
安すぎて逆におかしい家よりはマシですから。
高い査定価格とあなたのデメリット
ここまで、ボロクソに書かれていると感じている〇〇ハウスで建てた方も多いでしょう。確かに一般工務店が建てた家よりも100万くらいは高く売れることもあります。
しかしそれはほとんどタマタマで・・・。
確かに「〇〇ハウスの施工ですから・・・」という理由で高い査定価格を出されると、気持ちがいいでしょう。
お!わかってるねえ~
となるかもしれません。
逆に私の様に現実をそのまま伝えてしまうと
こいつは人の物を買い叩くつもり?話を聞きたくもない!
となってしまう事が、現実です。
しかし、本当に売れる金額は・・・。
甘い言葉で持ち上げられずっと売れずに、結果的にこちらの査定価格以下で売却・・・。
どちらが正しいのかは”言わずもがな”なのですが、当事者になればその事を中々理解し割り切る事は難しいのです。
そういった事を自問自答し、冷静な判断と値段設定を行ってほしいと思う今日この頃です。
最後に私が現場で吹き出してしまった現場の大工さんの名言を^^
家じゃ無いけん!プレハブじゃけん!