鳥取県の中古住宅の査定をやってみた。真実を言えない不動産屋

鳥取県の中古住宅の査定を勝手にしてみます。

物件の概要
  • 間取り
  • :4LK / 4LDK

  • 建築年
  • :2007年(平成19年)

  • 土地面積
  • :249.98 ㎡(75.62 坪)

  • 建物面積
  • :115.42 ㎡ (34.91 坪)

  • 現在売却中
  • :2,100万円

  • その他
  • :大手施工らしい 
    内部も合わせた写真を見る限り、良好な状態だと判断できます。

    なぜ鳥取県の中古住宅の査定を勝手にしてみるのか?

    ですが、どれほど売却価格と、私が評価した場合での差が存在するのか確認したかった事と、恐らくは高すぎる価格設定について疑問があったからです。

    もちろん、地域性などがある為、誤差はあるだろうと思いますが、不動産屋さんがどんな査定をしてなぜその価格になったのか?

    については皆さんも気になる点だと思います。

    ご自身が買われる時の参考にして頂くと良いでしょう。


    実食!ならぬ・・・実査!鳥取県の中古住宅の査定

    食わず嫌い風に・・・(^^♪

    え、古いですか?


    それはさておき、鳥取県の中古住宅の査定、早速してみます。

    最近改悪?された全国地下マップ

    こちらで日本全国のある程度の相場が把握できます。

    ※あくまである程度ですので、現場との差は必ずある事はご理解の上ご利用ください。

    土地価格の査定

    土地価格については、基準地価、公示価格、路線価、売却事例などを元に算出していきます。

    現在売却中の物の単価については、個人の意向が強く反映されているケースがあるため、高い物であるとみるケースが多いです(これは地域によりますが)。

    ㎡=11,000~12,500円が近隣の公示価格です。

    ㎡=14,400~14,700円が固定資産税路線価です。

    人口減少地域なので、恐らく固定資産税路線価よりも実勢価格が低い地域だと推測できます。

    令和4年6月に売買事例が同じ町内でありました。

    面積:345.06㎡ 

    成約価格:782万円

    ㎡=22,600円 


    地価の下落率が年0.6~1.8%になりますので、令和6年では

    ㎡=21,700円 程度と考えられます。


    また、同じ町内で現在売却中の物件が

    ㎡=22,800円で 2017/09~売り出されて未だ売却できていない状態です。

    地図を見る限り、かなり近い物件ですね。

    これを考慮すると、恐らく20%以上は価格が高いのだと考えれます。(10%程度なら普通は値段交渉で何とかなるはずですから)

    ∴ ㎡=18,200円までだろうと推測できます。

    これらを元に土地の価格を考察すると

    11,000円 × 249.98 ㎡ ≒ 2,750,000 円

    18,200円 × 249.98 ㎡ ≒ 4,550,000 円

    と言う事で

    土地価格は ~4,550,000円

    建物価格の査定

    建物については、建物の標準的な建築価額表等を元に算出していきます。

    これは、一般住宅の場合は特にですが、同じものでも高く購入した人もいれば、安く購入した人なんかも存在しています。

    エンドユーザーの価格は、建築会社によってバラバラの利益込みの価格であるからです。

    また、銀行などの金融機関もそれぞれ㎡=〇〇円という担保基準を持っていることも理由の一つです。

    今回の建物は2007年の軽量鉄骨なので、

  • 再調達原価: ㎡=135,600円 

  • 耐用年数: 27~30年


  • です。

    ∴ 建物価格 = (面積)115.42 ㎡ ×  (再調達原価)㎡=135,600円 ÷ (耐用年数)30年 × (残存年数)13年 

     = 6,782,079円

    と言う事で

    建物価格は ~6,782,079円


    合計査定価格


    土地:~4,550,000円

    建物:~6,782,079円

    合計:~11,332,000…高く見て

    後は太陽光や外構等で+できる物があればプラスしますし、クロスの貼替が必要とうのマイナス要素があればマイナスすると言った形です。


    査定価格と売り出し価格の差はいったいなぜ?

    この物件の売り出し価格は2,100万円です。

    私の査定とは約1,000万円の開きがあります。

    なぜこのような差が出てくるのでしょうか?

    もちろん、市場的に希少性がある場合も考えられるでしょう。

    地価が直近で上昇しているのかもしれません。

    が、明らかに人口減少地域で、地価の下落もDATAとして見受けられていますので、そうでなないでしょう。

    そこで考えられる理由は

    1. 大手施工と言う事で、建物価格を高く設定している
    2. 住宅ローンの残高で売却価格を設定している

    という2つが考えられます。

    前者であれば、購入者側からすれば そのブランド名やブランド力に納得するのであれば良いのかもしれません。

    私は決して納得しません。企業の利益の分、関係ないユーザーが高く購入するなんて・・・

    でもそれは自由です。

    ただ、売主さんには本当の事=数字はきちんと伝えておくべきでしょう。

    これを言わない輩が最近多い!


    そして、後者であれば、不動産業者の努力不足の可能性もありますね。

    追い金をする方法や、その後についてのコンサルをきちんとしていないとか・・・・

    いずれにしてもこれだけの価格差があれば、普通は一般ユーザーは購入しません。

    というか、仮に私の所へ相談に来られたら、余程の事情が無い限り購入はNGだと説明しますから。

    恐らく他の不動産業者さんも同じでしょう。

    どうするのがいい?

    私が売主さんから直接相談を受けたのであれば、正直に査定価格を伝えます。

    そのうえで、2,100万円で売りたいと言うならば、お断りします。

    住宅ローンという正当な理由があるのであれば、追い金をする方法やその他の方法を教えて差し上げます。

    そのうえで、一番良い解決策を取るようにしてあげるのが正解ではないでしょうか?


    仮にこのまま売れなければ住宅ローンが払えない・・・という状況だったとすると、2,100万円で売り続けることは、最悪のシナリオへまっしぐらです。

    その方の状況を十分考えて上げて、売却を絶対しなければいけないのか、他の方法は無いのか?

    と言う事をアドバイスできなければ、不動産屋失格では無いでしょうか?


    因みに今後も、もし依頼等があれば、できる地域であれば査定させて頂きますので、ご興味がある方や、購入を検討しようとされている方はぜひお声がけください。

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    宅地建物取引士・行政書士です。 農地の売買、農地転用、任意売却、離婚相談、相続相談をメインに実務を毎日こなしています。 困った時はぜひご相談を!