建物の査定評価の方法。あなたの家の評価は?

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建物の査定の根拠は?


土地は周辺相場からその物件の評価を算出する、近隣事例比較法が用いられる事が多いのですが、建物の評価は再調達原価原価率によって査定評価する事が一般的です。

今現在同じ建物を建てるとして〇〇〇〇万円かかり、何年経過しているから残存率は△△%なので、

再調達原価 〇〇〇〇万円 × 原価率 △△% = 建物基本評価価格

という公式で評価されます。

建物評価の為の原価率表

今現在、建物の価値は△△%残っているのか? を表している表になります。

木造住宅では20~25年の耐用年数

木造以外であれば25~30年の耐用年数を採用します。


耐用年数(横)
経過年数(縦)
21年
22年
23年
24年
25年
26年
27年
28年
29年
30年
1年
0.95
0.96
0.97
0.97
0.97
0.97
0.97
0.97
0.97
0.97
2年
0.90
0.91
0.91
0.92
0.92
0.92
0.93
0.93
0.93
0.93
3年
0.86
0.86
0.87
0.88
0.88
0.88
0.89
0.89
0.90
0.90
4年
0.81
0.82
0.83
0.83
0.84
0.85
0.85
0.86
0.86
0.87
5年
0.76
0.77
0.78
0.79
0.80
0.81
0.81
0.82
0.83
0.83
6年
0.71
0.73
0.74
0.75
0.76
0.77
0.78
0.79
0.79
0.80
7年
0.67
0.68
0.70
0.71
0.72
0.73
0.74
0.75
0.76
0.77
8年
0.62
0.64
0.65
0.67
0.68
0.69
0.70
0.71
0.72
0.73
9年
0.57
0.59
0.61
0.63
0.64
0.65
0.67
0.68
0.69
0.70
10年
0.52
0.55
0.57
0.58
0.60
0.62
0.63
0.64
0.66
0.67
11年
0.48
0.50
0.52
0.54
0.56
0.58
0.59
0.61
0.62
0.63
12年
0.43
0.45
0.48
0.50
0.52
0.54
0.56
0.57
0.59
0.60
13年
0.38
0.41
0.43
0.46
0.48
0.50
0.52
0.54
0.55
0.57
14年
0.33
0.36
0.39
0.42
0.44
0.46
0.48
0.50
0.52
0.53
15年
0.29
0.32
0.35
0.38
0.40
0.42
0.44
0.46
0.48
0.50
16年
0.24
0.27
0.30
0.33
0.36
0.38
0.41
0.43
0.45
0.47
17年
0.19
0.23
0.26
0.29
0.32
0.35
0.37
0.39
0.41
0.43
18年
0.14
0.18
0.22
0.25
0.28
0.31
0.33
0.36
0.38
0.40
19年
0.10
0.14
0.17
0.21
0.24
0.27
0.30
0.32
0.34
0.37
20年
0.10
0.10
0.13
0.17
0.20
0.23
0.26
0.29
0.31
0.33
21年
0.10
0.10
0.10
0.13
0.16
0.19
0.22
0.25
0.28
0.30
22年
0.10
0.10
0.10
0.10
0.12
0.15
0.19
0.21
0.24
0.27
23年
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.12
0.15
0.18
0.21
0.23
24年
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.11
0.14
0.17
0.20
25年
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.11
0.14
0.17
26年
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.10
0.13

木造住宅で、築10年の家であれば、マーカー部分の0.60・・・つまり60%の残存率となります。


再調達原価の設定

再調達原価は以下の表のA~Cで選択します。


A級品等建物=26年~30年
( 再調達現価坪=500,000円 )
B級品等建物=20年~25年
( 再調達現価坪=450,000円 )
C級品等建物=15年~20年
( 再調達現価坪=400,000円 )

耐用年数と建物のグレードによってA~Cを選択します。

一般的な木造建物であればB級品等建物で、耐用年数が20~25年の再調達現価坪=450,000円を選択します。

基本的な考え方

  • 〇〇ハウスの家だから…というのは基本的に考慮しません。メーカーの利益の部分がほとんどだからです。
  • ・・・同等品が使われているケースがほとんどです。

  • もちろん使用されている材質や商品によってはプラス査定したり、A級品とみなす事もありますが、余程の豪邸でない限りみなしません。

  • 不動産屋の建売や明らかな低コスト住宅についてはC級品を選択します。
  • ・・・注※不動産屋の建売が全てダメな訳では在りませんが、私の周辺で行われている物は、やはり所詮不動産屋の建売が多く、通常の建物よりも評価を落とすべき代物が多いです。

  • 再調達原価ですので、地域によってはそもそものコストが高い場合も有るので、その場合は基本の再調達原価の価格を現状に合わせます。

  • 外構・太陽光などの付帯物・付加価値については原価率を利用して別途評価します。
  • ・・・再調達原価はその都度確認します。

  • 雨漏り・シロアリ等の修繕が必要な場合はその分マイナス査定します。



  • 木造住宅
  • 36坪
  • 築10年

  • の家であれば、

    再調達原価 45万円 × 36坪 × 原価率 60% =  972万円(建物評価価格

    後は、建物内部の状況や補修が必要な個所などを考慮し、プラスマイナスをしていきます。

    建物の査定の考え方

    建物査定の基本的な評価はこの形となりますので、参考にして下さい。

    10年くらい前までの建物の査定では、耐用年数がさらに短い部類の建物も多かったので、上記の原価表よりも更に低い原価率の物を採用していましたが、現在の建物は地盤や瑕疵保証の面からも木造であれば耐用年数25年を採用しています。

    また、この原価率と再調達原価の採用は某金融機関が行っていたものであり、中古住宅の担保評価を算出する方法と一致します。

    つまり、家を売ろうとした場合に買主が100%評価を受けられる金額になる訳です。

    もちろん買主の属性によって100%が200%になったり、80%になったりするので、絶対と言う訳ではありませんが、世の中の大半の人にとって融資が受けやすい形になるのです。


    例えば金融機関の評価が2,000万円の土地・建物があったとすると、2,000万円までは融資が受けやすいという事です。

    この土地と建物が3,000万円で売られていたとしたら、100%が上限の属性の人であれば、2,000万円は融資を受ける事が出来るが、残りの1,000万円については自己資金を用意する必要があるようになります。

    昨今の金融機関では担保評価というのを重要視しない傾向にはなってきていますが、それでも評価の低いものには融資はしにくい物であるのは変わりません。

    買主の返済能力と照らし合わせた融資の実行となりますので、やはり100%評価の価格が建物の評価額と考えておくと良いと思います。

    それをスルーしてしまうと不良債権だらけになってしまう可能性があるし、いくらでも値段をごまかした事例が増えるので、某スルガ銀行の様に大きな問題を抱え込んでしまいかねません。

    という事で、「間違ってる!」という意見もあるかもしれませんが、日本という国においては、建物の評価は厳しいのです。

    車の評価と似た部分がありますが、車の場合は人気車種であれば価格はあまり落ちません。

    しかし人気というのは土地に対して発生するオプションで、建物の場合は一律減価償却されていくというのが日本での考え方です。

    なので、建物に過剰な価値を求めるのはお国の考え方に沿わないので、ある程度シビアに考えておくと良いと思います。

    建物に付属する付加価値について

    太陽光設備は明らかにプラスの価値がある物です。これはわかりやすいですよね?

    しかし家やその部分について愛着がありすぎて、何でもかんでも付加価値がある訳ではありません。

    第3者に対して価値が無ければ付加価値とは考えにくいので、自分がいくらイイ物だと思ってもプラスとは限らない事を認識しておきましょう。

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