不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)の見方と入手法。超簡単!

不動産の登記簿謄本とは何でしょう。



現在はこのような全部事項証明書という書類に変わっています。

15年ほど以前までは不動産登記簿謄本というアナログなコピーの書類に、法務局のハンコが押されて登記簿謄本とされていました。

現在入手できる登記簿謄本は、閉鎖されたもの・・・閉鎖登記簿謄本と言われる物になります。

閉鎖登記簿謄本は過去の登記簿内容の記載・・・コンピュータ化される前の登記内容や、登記記録が合筆や滅失等で無くなってしまった物(閉鎖されたもの)に当たりますので、余程の過去についての調査行為でなければ必要が無いものになります。


今回はサル?でもわかるように、不動産登記簿謄本=全部事項証明書の見方を解説してみます。


Contents

不動産登記簿謄本⇒全部事項証明書とは何なのか?

不動産登記簿謄本=全部事項証明書とは

不動産の詳細についての情報が記載されている、法務局が発行する証明書というのがわかりやすいでしょう。

見本にあるように不動産登記簿謄本=全部事項証明書は表題部・甲区・乙区の3つの区分(内容)から構成されています。


表題部に記載されていること


表題部の記載事項
  • 不動産の所在
  • 〇〇市〇〇町〇丁目

  • 地番
  • 甲○○○-2(土地につけられている登記上の住所。住居表示とは異なりますが、同一の場合も有ります。市町村によって違います。)

  • 家屋番号
  • 甲○○○-2-1(建物につけられている登記上の番号)

  • 地目
  • 宅地(田・畑・雑種地などの土地の種類が表記されています。)

  • 種類
  • 居宅(店舗・事務所・共同住宅などの種類が表記されています。)

  • 地積・面積
  • 土地の面積を地積と言い、建物については面積で表記されています。

  • 登記の日付及び原因
  • 合筆・分筆などの登記の原因が表記されています。

ここでの注意事項はいわゆる住所と所在地番とは異なるものであるという事です。

通常郵便物などは住所(住居表示)を記入することで届きますが、自治体によってこの住所(住居表示)と所在地番が異なる地域と、一致している地域があります。

表示が一致しない場合は同一の不動産かどうかの確認を地図や公図と呼ばれる図面で位置関係などを確認する必要があります。

公図と地図と現況が一致してない場合は、この確認作業は非常に重要です。

自分が住んでいる土地と建物が登記上はそこに存在していない”なんて事も結構ありますし、本人がそれを知らないという事も多々ありますので、何かの折に確認されるのも良いでしょう。

甲区に記載されていること

甲区に記載されていること
甲区欄には所有権に関する事項が記載されています。

  • 不動産の所有者の名前
  • 相続登記がなされていない場合は被相続人の名前が記載されています。

    中には昭和30年とかもっと古い時代の名前のままの場合が案外と存在します。

    この場合不動産で何かをする場合、相続登記をする必要があります。

    相続登記をせずに放置しておくと、かなりの高確率でトラブルが発生します。

    これも何かの折に確認しておきましょう。

  • 差し押さえなどの記載
  • 税金の滞納などによる差し押さえ所有権移転の仮登記などが記載されます。

  • 登記の日付及び原因
  • 売買・相続・贈与などの登記の原因が表記されています。



差し押さえなどがある場合は、権利の行使に制限が出てくるので、差し押さえをしている権利者との話し合いが必要になります。

乙区に記載されていること

乙区欄には、表題部、甲区以外の権利に関する事項が記載されます。

抵当権根抵当権などのお金の貸し借りの担保としての債権者の権利が記載されます。

他には譲渡担保、地上権、地役権などの記載がされる欄になります。

基本的にはお金や第3者の権利が登記されているかどうかの確認をします。

15年くらい前までは案外と抵当権付き不動産の売買が行われていましたが、近年では抵当権が残ったまま売買する事はほぼなくなったと思いますので、売買する際には抵当権が抹消される事を確認するだけで良いと思います。



全部事項証明書の見方はなんとなくご理解頂けたと思います。

ではそもそも不動産登記簿謄本⇒全部事項証明書はどんな時に必要なのでしょう?

日常生活の上では全く必要が無い場合がほとんどです。

不動産登記簿謄本⇒全部事項証明書が必要なケースと入手方法


  • 住宅ローンの申し込み・借り換え手続き
  • ・・・原本が必要

  • 不動産の調査・査定

  • 大まかに登記簿謄本が必要な場合はこれくらいでしょう。

    銀行での手続きには必ず原本が必要になります。

    また相続手続きや査定等の調査にも必要です。この場合は必ずしも原本である必要はありません。

    不動産登記簿謄本⇒全部事項証明書の入手法


    1. 登記情報サービス(民亊法務協会)への登録をしてインターネット上で全部事項を入手する。

    2. 文明の発達は素晴らしいもので、現在は自宅に居ながらインターネットにて全国の不動産についての全部事項を入手することもできます。

      入手できるものは記載内容は全く同じなのですが、法務局の判が無いものになりますので、住宅ローンなどの銀行の手続きには通用しません。

      全部事項であって、全部事項証明書ではないからです。

    3. 全部事項証明書は法務局で直接入手

    4. それぞれの自治体にある法務局もしくは法務局の出張所にて申請することで、全国の不動産についての全部事項証明書を入手することができます。

      この際は収入印紙を法務局等で購入し、収入印紙を貼付して申請します。

      全部事項証明書は1通600円の印紙が必要です。

      公図や測量図・建物図面は1通450円の印紙が必要です。

      どちらも現地の印紙の販売所に掲示されていますが、丁寧に担当の方が教えてくれるはずなので、わからない場合は尋ねてみてください。




    以上、意外と知られていない登記簿謄本(全部事項証明書)の読み方と入手法でした。

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