農地を宅地にするまでにかかる期間は?農地転用と地目変更

農地を売るなり買うなりする場合、もしくは自身で農地以外の利用をしようとする場合、それなりの期間が掛かる事をご存知ですか?

よし、ここに家を建てよう!

と決めてからも、結構な時間を要するのです。

ここでは、簡単に農地を農地以外の物にする為に掛かる期間について見ていきますね。

※ここでの農地転用のスケジュールについては非線引き区域の第3種農地の農地転用をモデルとしています。

農地を宅地にし家を建てるまでの必要期間

農地を宅地にするまでの必要な期間は、それぞれしなければいけない作業によって違いますので、一番作業が多いパターンの売買をするケースを例としてみます。


ここではスタートを1月1日に設定します。

建築の期間は4か月に設定しています。

農地を売買する際にかかる期間と作業
  1. 1月1日 売買契約
  2. この後行われる測量と農地転用の申請についての停止条件付の売買契約を締結します。

  3. 測量・分筆
  4. 売買契約締結後(場合によっては事前に)で、立会申請を行い、測量行為の関係者との立会日を決めます。

    役所や関連団体の予定次第ですが、おおよそ2週間後~8週間後の間の都合の良い日が定められます。

    仮に測量立会に日が2月1日だったとします。

    周囲の隣接者との境界の確認ができ、書類に押印をしてもらい、官地(市道など)の管理者の査定をもらうようになります。

    スムーズに行って2~3週間という所でしょうか。

    相手がある事なので、押印がすぐにもらえなかったりする事もしばしばですので、およそ1か月程度を目安とすると良いでしょう。

    もしある程度の期間内に隣接者等の押印がもらえない場合は、境界不成立となり、一旦は白紙解約となります。・・・時間を猶予する事が可能であれば、筆界特定や裁判での判決をもって境界を確定させることができますが、1~数年の期間を要する事を覚悟しなければいけません。

    家を建てる事を目的に売買する場合は、分筆が必要となるケースがほとんどですので、境界査定ができてから分筆申請となります。

    3月1日に境界査定ができたとすると、およそ1~2週間程度で分筆登記が完了します。

    既に測量がされている、分筆がされている、測量の必要が無い場合ではこの期間は不要となります。

  5. 農地転用申請
  6. 農地転用の申請ついては、私の住んでいる地域では、毎月15日が申請手続きの締め日となっています。

    以前は分筆や相続登記の申請中でも申請している事が確認できればo.kだったのですが、それを偽造して誤魔化した申請をした輩がいた為、完全に登記が完了しなければ受け付けられなくなってしまっています。

    この辺の運用の仕方については地域によって差があると思いますので、農業委員会に確認が必要ですね。

  7. 農地転用許可
  8. 申請受付の翌月末を目途に許可が下りてきます。

    3月15日が申請の〆であれば、4月30日ですね。

    停止条件で農地転用の許可が下りない場合は白紙解約とするケースが一般的ですが、申請までできれば許可が下りないという事はほぼ無いと思います。

    許可が出来ないような物は申請を拒否されますから。

    その為、事前に打ち合わせと確認作業を行ったうえで申請するのが当たり前ではないかと思います。

    中には、締め日の15日にいきなり提出しに行って、追い返されたりしている人も見かけますが、仕事は段取りが9割です。

    ※開発許可が必要な場合は、農地転用の許可と並行して審査が行われ、ほぼ同じタイミングで開発許可が下りてきます。こちらも事前打ち合わせが重要です。

  9. 所有権移転
  10. 農地転用の許可が下りれば、名義変更の手続きができます。

    売買契約の内容によって造成工事との順番が入れ替わります。

    売主側で造成工事を行う場合は先に造成工事を行います。そして、工事完了後所有権移転をします。

    地目変更は登録免許税軽減のため、所有権移転後買主にてされることが多いと思います。

  11. 造成工事
  12. 工事内容によりますが、2週間から1か月くらいでしょうか。

    5月1日から工事を始めたとして、5月中には完成といったところでしょう。

  13. 建築・地目変更
  14. 私の住んでいる所では、場所によって地目変更ができるタイミングが違います。

    造成工事完了後に地目変更できる地域と、建物の棟上げが完了した段階で地目変更が出来る地域(建物を建築しない場合は事業内容の7割程度の実施)とに、農業委員会の運用で決められています。

    本来地目については現況主義なので、現場が宅地になっていれば宅地に地目変更できるのですが、あまりにも目的と違う行為をする輩がいた為に、そのような取り決めになっています。

    この地目変更のタイミングも自治体によって違うと思いますのでそれぞれ確認しましょう。

    という事で、1月1日にスタートした内容が農地法が外れる地目変更まででは、5月末~7月くらいまでかかるのが通常です。


という事は、測量の立会日からは約4か月~、農地転用申請からは2か月半~程度の期間が必要という事です。

自分の所有する農地に家を建てようとしたとすると、測量を既にしていれば2か月半~、していなければ立会日から約4か月~程度は時間が掛かるということになります。


学校区の関係でできれば4月までに家を完成させたい!」といったような場合には余裕をもって土地探しをする事が大切ですが、農地から宅地へ変更する場合は半年を目安にしておくと良いでしょう。

それプラス建築の期間ですね。

新しい生活をスタートするための予定がこれで何となくつかめましたね?


地目変更について

登記上の地目については現況主義なので、現場が宅地になっていれば宅地へ、雑種地であれば雑種地へと変更できる事が基本です。

が、農地法・・・

つまり農地転用が絡んでいる場合はすんなりとはいきません。

  • 農地転用の目的通りになっているか?

  • という事について、法務局から農業委員会へ確認がされます。

    農業委員会は現地を確認して、農地転用の申請の内容との整合性を確認します。

    そのうえで、地目変更が可能かどうかの判断がなされます。

    なので、その地域の地目変更についての運用方針を把握しておくと良いでしょう。

    前述のとおり、運用によって地目変更が可能なタイミングが違っていたりしますので、簡単にはいかないケースも多々存在します。

    また、地目変更はすぐにする必要はなく、後からする事も可能ですが、その後に売買をしたり、担保提供したりする場合にはしなければいけなくなりますので、一連の流れの中で行っておく方が良いでしょう。

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    宅地建物取引士・行政書士です。 農地の売買、農地転用、任意売却、離婚相談、相続相談をメインに実務を毎日こなしています。 困った時はぜひご相談を!