「小さい畑を買いたい」
と思う人は家庭菜園をしたくて、
それらしい大きさ・広さ・場所・価格
の畑を購入したいと考えていると思います。
近年の法改正で、誰でも農地の購入が可能になったと言えるのですが、あなたの描いている物と合致するかどうかは別物です。
ここでは、「小さい畑を買いたい」と考える人に知っておいて欲しいポイントを解説します。
目次
「小さい畑を買いたい」と思ったら知っておくべきこと
この記事のポイント
- 非農家でも農地を購入できますか?農地は買えるようになった?
- 一般人が農地を買うには?
- どうしても自分が思う大きさの畑が欲しい場合
- 畑を手に入れるには?
- 農地 あげます
- 隣の畑を買いたい
- 家庭菜園の畑用地に土地を借りる(おすすめ)
- それなりの広さの宅地などを購入する・借りる(現実的)
- 家庭菜園用地 固定資産税
- 「小さい畑を買いたい」と思ったら知っておくべきことまとめ
非農家でも農地を購入できますか?農地は買えるようになった?
農地を購入することに対して、農業に従事していない「非農家」の方は以前は購入ができませんでした。令和5年4月1日より農地法第3条の法律改正により、農業を営んでいない人でも一定の条件を満たせば農地を購入できるようになりました。
具体的には、「農業振興地域」などの指定地域内での購入が制限される場合もありますが、多くの地域では非農家でも農地を取得することが可能になったのです。
農地法第3条について
現在所有している農地、賃貸している農地を全て効率的に耕作している事(耕作に必要な機械の所有状況、労働力、技術の有無を確認されます)
必要な農作業に常時従事している事(農業経営のために必要な農作業に年間従事する日数について確認されます)
一定の経営面積を有する事(自治体にによって異なります)
周辺の農地利用に支障が無いこと(周辺農地の水利用への影響について確認されます)
第5号の一定の経営面積を有する事が削除となりました。
これにより、農業に従事しようと考えている方の参入障壁となったいた点が緩和される事になり、特に小規模での農業参入がしやすくなったと考えられます。
一般人が農地を買うには?
前項の改正によって、一般人でも問題なく農地を購入できるようになりましたが、農地の購入目的は”営農”でなければいけません。- 現在所有している農地、賃貸している農地を全て効率的に耕作している事
- 必要な農作業に常時従事している事
といった部分は同じであり、且つ運用で、申請者(購入者)が特段の理由が無い場合は、農地以外への転用を禁止される形となっています。
要は、
「農地はずっと農地で使いなさい!」
と言う事なのです。
例えば、
- 病気などで農業従事できなくなった
- 所有者が亡くなり、農業ができる物が居なくなった
と言った理由がない限り、農地以外への転用行為はできません。
まあ、「農地法」の観点からすると、当然と言えば当然ですが。
もしこれが、数年後であれば転用O.Kという形だとすると、不動産業者やディベロッパーが買い漁る事にもなりかねませんし、農地を守るという農地法の趣旨にもそぐいませんからね。
と言う事で、サラリーマンであっても農地は購入できるようになりましたが、家庭菜園用となると趣旨が異なるケースの方が多いかもしれません。
農地を購入するときの注意点
- 農地の面積は広い事がほとんど 一部だけを購入するには測量・分筆などが必要で、費用がそれなりに掛かります。
- 営農を続けなければいけない事 管理や将来の負動産化も含めて、簡単に処分できるものではないので、将来的な事も考えなければいけません。
都合よく一部だけを購入できればいいですが、手放す側からすると全て手放したいケースがほとんどではないでしょうか?
基本的には1,000㎡単位で存在しているのが農地です。
これまでの経緯で小さくなっているケースはありますが、1反という単位が存在するのは農地の大きさを表してきた歴史があるからです。
※もし、部分的に分けてもらえるのであれば、測量費用などを含めて、費用負担について十分に話た上で取り決めておきましょう。
この辺についてはプロの不動産業者や行政書士に相談するのが良いと思います。
恐らくですが、「家庭菜園」を考えられる方の想像している広さって、500㎡(150坪)もないはずです。
管理などが手軽で程度な広さ
は恐らくその半分以下なのではないでしょうか?
まあこの辺は個人差や思惑があるので一概には言えませんが、もしそうであるならば、農地1枚を購入するというのは趣旨には合わないと言えます。
どうしても自分が思う大きさの畑が欲しい場合
自分が思う大きさの畑が欲しい場合
当然といえば当然ですね。
1つの土地を分筆する事で、残った土地について生きる様にしなければいけませんし、測量行為もそれなりに費用が掛かります。
私の周辺地域では40万円~60万円位が測量・分筆の費用として掛かるケースが多いですし、水路や架橋などの工事が発生した場合はこれまた結構な金額が掛かるはずです。
これらを理解したうえで、どのような金銭負担をするかを畑の所有者と取り決めを行わなければいけません。
以上の事から、一部のみを畑として購入するのはハードルが高いケースが多いと言えます。
場合によっては、小さな宅地を購入して畑を作る方が良かったりするかもしれません。
小さい畑を手に入れるには?
それでもかまわない!という場合となりますが、畑を手に入れる方法はいくつかあります。まずは、不動産業者や専門の仲介業者を通じて探す方法が一般的です。
また、地方自治体や農業団体が提供する情報も有用です。
さらに、以下の方法も検討してみる価値があります。
農地 あげます
知人や地域のコミュニティを通じて、「農地をあげます」という情報が得られる場合もあります。こうした情報を見逃さず、積極的に活用することで、コストを抑えながら畑を取得することができるかもしれません。
隣の畑を買いたい
隣接する畑や近隣の畑が売りに出されている場合もあります。このような機会を逃さず、近隣の情報をチェックすることが有効です。
隣の畑を購入することで、自宅からのアクセスも便利で、菜園の拡張にもつながるでしょう。
また、仮に今現在売る意志が無くても、声をかけておくことで、どこかのタイミングで入手できるようになることも十分にあります。
家庭菜園の畑用地として土地を借りる
購入以外にも、土地を借りる方法があります。地元の農業団体や自治体に相談することで、家庭菜園用に土地を借りる選択肢もあります。
特に短期間の利用や試験的な利用を考えている場合には、レンタルという選択肢が適しているかもしれません。
私のお勧めはこの”借りる”という選択です。要件に合うものを探すとイイでしょう。
それなりの広さの宅地などを購入する・借りる
この方法が一番すんなりと購入できるパターンかもしれません。自分が思い描いている広さと場所の宅地や雑種地を購入もしくは賃貸で借りる事で、その土地を家庭菜園として利用する形になります。
後々の処分もしやすいですし、不必要な広さで管理も楽になります。
まずは自分の理想というか希望の広さや場所を十分に考え、具現化する事が大切です。
家庭菜園用地 固定資産税
畑を購入する際には、固定資産税についても考慮する必要があります。家庭菜園用地も固定資産税の対象となるため、年間の税額を把握し、予算に組み込むことが重要です。
税額は土地の面積や評価額によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
といっても、農地の固定資産税は相当に安いですから、余程広大な農地でなければ負担になる事は無いでしょう。
気を付けなければいけないのは、宅地等を購入して家庭菜園として利用するケースです。
この場合は宅地課税もしくは宅地並み課税となりますので、それなりの負担が発生しますので、確認をしておきましょう。
小さい畑を買いたいと思ったら知っておくべきことまとめ
「小さい畑を買いたい」と思ったら取るべき行動は、まずは、広さ・場所について希望を固める。
- 広い農地が欲しい場合は ①不動産業者や農協などの仲介業者を通じて探す
- 小さい家庭菜園用の土地が欲しい場合は 思い描いている広さと場所の宅地や雑種地を、不動産業者などを通じて購入・賃貸の形に応じて探す。
②農地あげますなどのコミュニティ情報を探す
③隣接や近隣の農地所有者へ声をかけてみる
というのが、正しい形と言えます。
仮に私が「家庭菜園用の小さい畑を買いたい」と考えたなら、間違いなく同じ方法を取ります。
具体的には近所の耕作していない農地の所有者に声をかけ、借りる話をしてみます。
ダメであれば、空き地の所有者に声をかけてみる感じですね。
以上、参考にして頂ければ幸いです。