売れない不動産、不要な不動産の具体的な処分方法とは?

相続したけど処分できない・売れない不動産

ずっと売却しているが何年も売れていない負動産

あってもランニングコストがかかるだけ

管理義務が発生する=リスク

等々、いわゆる負動産の処分について、悩んでいる方は年々増加しています。

かくいう私自身もそのうち、その立場になります。

不動産売買のプロである私も、10年位前から先々を何となく考えていましたが、正直その時点からどうしようもないだろうと考えていました。

で、改めて、相続土地国庫帰属制度の開始とともに、実際の解決策として一度真剣に考えて見ることにしたのです、今更ですが書いてみようと思います。

同じ悩みを抱えている、全国の売れない不動産、要らない負動産所有者、将来の負動産所有者の皆様の参考になれば幸いです。

正直、相当悩ましいお話です。

値段のあるうちに処分できることがどれだけ幸せな事か・・・

とにもかくにも早めに問題意識を持ち、行動を起こしておくことが大切だと思います。

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不要な売れない不動産の具体的な処分方法の実際

不要な売れない不動産の具体的な処分方法は、私の少ない脳みそで考えたところ、4つほど存在しています。

売れない不動産の処分法
  1. 相続放棄
  2. タダであげる
  3. お金を支払って処分する
  4. 国や自治体に寄付する


上から順番にお金のかからない方法になります。

売れない不動産は相続放棄

相続される財産が、そのどうしようもない売れない不動産のみの場合は、相続放棄をお勧めします。

他に例えば現金などが財産として存在し、プラスになるのであれば中々相続放棄とはいかないですが、トータルでの計算を十分に考えておくべきですね。

また、相続放棄をしたとしても、管理義務が残るケースもあるので注意が必要です。

2023年4月から施行された改正民法により、 「現に占有している」者に限り、相続放棄後の管理義務を負う とされています。


相続放棄すれば空き家の管理に悩まなくてすむようになったのですね。
※ただし、相続放棄時点で相続財産である空き家を占有していた人は、相続放棄後も管理義務が残り続けてしまいます。

また、注意点として

相続放棄で気を付けておくべき事
  • 相続放棄には「自分が相続人と知ってから3ヶ月以内」という期限がある
  • 相続放棄は空き家だけでなく、預貯金や株式などの財産も一切相続できなくなる

  • 相続放棄後も管理義務が残り続けてしまう事が嫌である場合は、別途費用が掛かりますが、相続財産管理人を選任すれば管理義務がなくなります。

    タダで誰かに不動産をあげる

    最近の流行でもありますが・・・

    売れない不動産は、0円で負動産を誰かにあげてしまう形です。

    マイナスの物が0円になるので、ある意味自己破産と同じですね。

    借金チャラやあ~! 的なやり方です。

    これについては、マッチングサイトの利用料や登記関係の費用が掛かるだけで、比較的費用は抑えれると言えます。

    が、冷静に考えると、負債を誰かに押し付ける形になるので、喜んでもらってくれる(気の毒な)人がいる内はいいですが、日本中でトラブルだらけになる気がします。

    不動産業者が介在しない為、既にトラブルも起こっているようですね。

    当然と言えば当然ですが・・・。

    因みに私個人は、この0円であげてしまう準備をしていました。

    たまたま負動産の隣に住んでいるのが昔の会社の後輩で、将来もらってくれるように洗脳していたのですが・・・

    残念ながら、月日が流れ、敷地の管理がしんどくなってきたそうで・・・

    もう何年か先だと難しくなってしまうという事を先日言われてしまいました。

    そう、完全にタイミングを逸してしまいそうなのです。


    お金を支払って処分する・国や自治体に寄付する

    国や自治体へ寄付する方が先だと思いがちですが、実は違います。

    有料で引き取ってくれる団体等であれば

    35万円~200万円くらいと幅がありますが、国や自治体へ寄付するよりも確実に費用を抑えれます。

    これは考えれば簡単なのですが、寄付・国庫へ帰属される側には、ハードルが高い条件があります。

    当然ですよね。

    トラブルになるようなものを公共で引き取るわけにはいきません。

    最低限、解体・整地された土地であり、境界も明示されている状況でなければいけません。

    凡そですが、解体と測量で150~200万円くらいは少なくともかかるでしょう。

    中には土壌汚染だったり、不法投棄されていたりしているケースだったりすると、そういったものの処分も必要になります。

    で、引き取るにあたってそれなりの負担金が掛かります。

    200㎡の宅地だと約80万円くらいですね。

    結果的に、200万以上かかるケースが当たり前に存在します。というかそうなりますね…。

    なので、有料で引き取ってくれる民間企業の方がコストは抑えれるのです。

    私が見つけた一番安い引き取り業者

    今なら、330,000~350,000円で引き取ってくれるそうです。

    再建築不可、事件・事故物件も問題なく引き取りo.kだそうです。

    私の場合、知り合いに拒否された場合はこういうシステムを利用しようと考えています。


    未来に備えて確認をすべし!


    皆さんは消滅自治体という言葉を聞いたことがありますか?

    ここに該当するようであれば、負動産は0円でもらってくれなくなる可能性は高いでしょう。


    加えて、立地適正化計画が自治体で定められていると思いますので、それとの兼ね合いで判断はしやすいと思います。


    自分の子供や孫達に、負債を残すような事はなるべく避けたいですよね?

    今は想像できないかもしれませんが、ほぼ確実にそうなっていくでしょう。

    日本中で現在人口の奪い合いがされていて、東京が独り勝ちの状況は続くでしょう。

    その中で、負動産という負債のババ引きゲームが同時に行われているのです。


    今の瞬間は損したように思うかもしれませんが、先手を打てる時に打っておくのが賢い行動と言えるのではないでしょうか?

    暗い話になりましたが、不動産の事に関したことであれば相談に乗りますので、お声がけください。

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    宅地建物取引士・行政書士です。 農地の売買、農地転用、任意売却、離婚相談、相続相談をメインに実務を毎日こなしています。 困った時はぜひご相談を!