その不動産なぜ売らないの?不動産なんかタダでも要らなくなる時代


7月3日に2017年度の路線価を公表されました。

その結果は驚きの・・・・

全国約32万5000地点の対前年変動率は、全国平均で0.4%。

背景には、住宅需要の高まりや、訪日外国人者数の上昇に伴うインバウンド需要があるとされている。

銀座中央通りではバブル期(1992年)の3650万円を上回って26.0%上昇し、4032万円過去最高路線価を更新した。

この話だけを聞くと、何やら日本の不動産は非常に景気がよくなっているのではないかと思う人もいると思います。

しかし、銀座などの超一等商業立地や、外国人観光客で沸く地域はともかく、全国の住宅地価格については今後も上昇したり、価格を維持できる可能性は、ほぼないのです。

国土交通省が2014年に公表した国土のグランドデザイン2050では、現在人が住んでいる地域の60%以上で人口が半減もしくはそれ以下となり、20%は無居住化するとされています。

全国の多くの地域で価格がどうなるかというではなく、「消滅の危機」にあると指摘しているのです。



不動産の価値が無くなる日が確実にやってくる

不動産の価値、価格は需要と供給のバランスによって成り立ちます。

国土のグランドデザイン2050が示しているのは、人口が減少しあらゆるニーズ=需要が激減していく事を表しています。

、年金システムが破綻するよりも確実に起こる事なのです。

現在30年後を考えて不動産を買う人は少ないでしょう。

しかし、その頃には土地の値段がある地域がどれだけあるでしょうか。

正直タダでも要らない程に、管理ができない土地と空き家が増加し、放棄された不動産の姿が目に浮かびます。

年輩の方は幼かった頃を思い出してください。

山奥にあった集落が段々ふもとに下りてきて限界集落となり、山の中に取り残された風景を。


高度経済成長時代に日本人は便利さと豊を求め、中心へ中央へ、より便利な所へ移動していきました。

人口が増加しているときはそれで良いのですが(それでも安い郊外地に住む人がいた)、その集落の移動が全国規模で起こり、放置された不動産が素晴らしいスピードで増加しているのです。

東京で生活する人には分からないかもしれませんが、危機的スピードで人口は減少し、様々な需要が減少しているのです。

とは言っても、「棟数やアパート・マンションの建設は減っていないじゃないか!」
という意見もあるでしょう。

今現在動いている・・・新築住宅について購買活動をしている人達は、真に需要がある人達だけです。

アパートやマンションについては未来を考えていない、都合のいいDATAを元に考えている弱い人達と、お金が余っている人達です。

全体的な流れについてではなく、自分の周囲の良い所だけを切り取って物事を考えてしまうので、現在起こっていることが見えないのかもしれません。

明らかに人口が減るのは確定的な出来事であるので、管理ができない不動産が増加するのは自然な事です。

なぜ土地を売らないの?

ここで私が素直に思うのは、

じゃあなぜ早く土地を売らないの?
という事です。

デフレですから地価は下がります。
と言われても売らなかった人達の多くが、値段が下がった後に残念な気持ちで売却をしています。

対応が遅かったんですね。

バブルが弾けた後には、自分たちが有効に利用する以外に、利用目的が無い不動産については、売却しておくことが賢い選択だったのです。

その事が判っていても決断が出来ず、ズルズルと引き延ばしてしまった結果、価格的に損をせざるを得なかったのです。

「国土のグランドデザイン2050」の様なDATAが出てしまった後では遅すぎかもしれません。

しかしそれでも10年後に不動産を処分するよりはマシでしょう。

不動産を購入するニーズが激減するんですから、少しでもニーズがあるうちに処理をしなければ、後の世の子孫に大きな負債を残すことになりかねないのです。

現実問題として、既に古い分譲マンションなんかでは所有者不明で管理ができず、老朽化とゴーストマンション化で、にっちもさっちもいかない不動産が増加しています。

既に子孫に負債を残してしまっているんですね。

  1. 所有する不動産が必要かどうか?
  2. 子孫が管理はできるか?

この2点がクリアにならない限り、負債にしかなり得ないのです。

そんな負債になる可能性が高い不動産を大事に抱えておく必要がなぜあるのでしょうか?

地域消滅の恐れが19%あるDATAに該当するであろう地域については、既に手遅れになっている地域も多いでしょう。

50%以上減少する地域に該当するであろう地域の方は、本当に真剣に直ちに現実に向かい合う必要があると言えるでしょう。

0~50%の減少見込みの地域においても、要・不要を見極め準備をしておく必要があります。

いずれにせよ2%の地域以外・・・つまり98%の地域においては30年後には価値が無くなっている恐れがあるので、十分考慮し、対策を立てておく必要があるのです。

その事を認識できていない人も未だに多く、もしくは認識していても他人事で決断できない状況が多く見て取れます。

その不動産なぜ買うの?

土地を買う人は家を建てる為に買います。

しかしわざわざその土地を買わなければいけない理由がある人はどれくらいいるでしょうか?

不動産を購入するひとの場所の選定理由のほとんどが、
  • 子供の学校の都合

  • 会社や通勤の都合

  • 実家の近辺

  • 利便性の追求
という理由で場所を選定します。

理由なくその場所を、その不動産を買う人はまずいません。

そして、わざわざその土地を買わなくても、近隣でなお条件が良く安い物件が次から次に出てくるのです。

なぜこんな物件を買うの?ラッキー!
というのが不動産屋の本音である場合が増えるでしょう。

不動産を買う側こそ、わがままを言える、またそれが叶えられやすくなっている時代なのです。

それは当然もっと加速します。

今まさに不動産を買おうとしている方は、なぜ今なのか?を問いかけてみましょう。

理由がありますか?

”家が欲しいから”とか言うのは、お金に余裕がある人の発想で、後5~10年も経てばもっと土地の価格が安くなるんですよ?

ちゃんとした理由が無いなら買わない!これに尽きます。

不動産業者も激減する?

今現在でも多すぎると言われる不動産業者ですが、全うな不動産業者の数は10年後にはその数は激減していると思います。

なぜって?

地価が下がる=収入が減る

からです。

手数料収入が単純に減るので、同じ仕事量・件数をこなしても売り上げは激減していきます。

その他のアコギな収入を膨らませる行為をしなければ、成り立たなくなるからです。

10年後に残っている不動産業者は本当に親切な良い業者か、おかしな悪~い?収入を産み出し吸い上げる業者のどちらかでしょう^^

要は、人口の減少は不動産業者にとっても死活問題なのです。

あなたやあなたの子孫に負債を残さない為に

この記事を読んで頂いた方は、「そんなアホな!?」と思いながらでも結構です。

余分な不動産を所有している場合は、現在の状況と価値を最低限把握しておいてください。


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これから10年先には不動産業者も激減するでしょう。

不動産を買う、買わなければいけない理由がある人も激減します。

将来の年金が怪しいと言われ始めてから久しいですが、日本人の多くが自己防衛で個人年金を掛ける人が増えました。

それと同じなのです。

国があてにならない以上、自己防衛は常にしておかなければいけません。

それでも動かない、考えない人は、子供や孫に負債を残してしまう事を十分に説明しておいてください。

それ程この国の不動産の将来は危機的状況です。

とにかく何らかの行動は起こしましょう。

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宅地建物取引士・行政書士です。 農地の売買、農地転用、任意売却、離婚相談、相続相談をメインに実務を毎日こなしています。 困った時はぜひご相談を!