本当に正確な正しい農地の売却方法って中々みかけません。
農地の売却方法については勘違いしている情報もしくはどこかで聞きかじった情報が案外多く流れているのです。
代表的なのが
「農地は地目を転用して売る」
この言葉です。この表現に非常に違和感を覚えます。
完全に間違っている訳では無いけど、明らかに違和感がある・・・。
知ったかさんの文章なのか、勘違いなのか・・・。
不動産の売買と農地転用を業務にしている私には、そのズレた意見が検索上位に表示され続けている事で、
Googleもマダマダだね!
と感じてしまうのです。
さて何が間違っているのでしょうか?
地目を転用する!なんて行為は存在しません。 ⇒ 「農地は地目を転用して売る」事は出来ないのです。
正しい農地の売却方法についてせっかくなので教えてあげちゃいます。
正確に正しい言葉、行為は
農地を転用して、地目変更をする
という2つの行為があり、決して地目は転用できません。
これが未だに大手のサイトに出てたりするんですね・・・。こわっ
正しい農地の売却方法
先に正しい農地の売却方法について簡単にまとめてみます。農地を売却する方法は3種類あります。
- 農地を農地として売る
- 農地を農地以外の利用目的に応じて転用申請を行い許可後売る
- 先に地目変更して売る(届け出をして売る)
簡単にいうとこの3種類です。
そして、農地の種類(立地基準)と立地条件によってどちらかに該当するか?が決まっています。
第3種農地以外は、基本的に農地を農地としてしか売却できません。
つまり売却できる可能性のある農地は第3種農地だけなのです。
そして第3種農地が存在している地域(立地条件)によって、更に規制がかかります。
不動産うるなび
不動産うるなび
農地の売買、任意売却、離婚、相続に関する情報を正しくお届けしています。
非線引き区域の農地転用は、転用の目的を審査されます。
4条(自己用)であっても5条(権利の移転・・・第3者への売却)であっても、転用行為の中身について審査され、目的通りに実行しなければ転用確認、地目変更が出来ません。
農地法の縛りが外れないんですね。
という事は、冒頭の「転用して売る」という行為は4条では無理がある事になります。
非線引き区域の4条許可申請
宅地にする・・・家を建てるという目的での申請であれば現実に自身が家を建てなければいけません。(運用基準で地目変更できるタイミングはそれぞれ違う為、できる地域も存在するかも?)
雑種地にする・・・自身が資材置き場等、現実に資材を置く必要性があります。
私の県では、
・旧市街化区域に存在する農地であれば給排水設備等の設置がなされた造成工事完了後の宅地の状況
・旧調整区域に存在する農地であれば建築物の棟上げ後
のタイミングで転用確認・地目変更が可能で、農地法の制限から外れます。
非線引き区域の農地において転用して売るという行為は、転用行為を行う間の時間的リスクと工事代、建築費などの費用負担リスクがある為、現実的ではないのです。
私の県では、
・旧市街化区域に存在する農地であれば給排水設備等の設置がなされた造成工事完了後の宅地の状況
・旧調整区域に存在する農地であれば建築物の棟上げ後
のタイミングで転用確認・地目変更が可能で、農地法の制限から外れます。
非線引き区域の農地において転用して売るという行為は、転用行為を行う間の時間的リスクと工事代、建築費などの費用負担リスクがある為、現実的ではないのです。
非線引き区域の5条許可申請
宅地にする・・・家を建てるという目的での申請であれば現実に買主が家を建てなければいけません。
雑種地にする・・・買主が資材置き場等、現実に目的通りに資材を置く必要性があります。
転用確認・地目変更のタイミングは4条と同じです。
買主と共同で農地転用の申請を行いますので、売却のリスクは少ないです。一般的に行われている農地の売却のほとんどがココに該当すると思います。
現実的には農地法の運用制限で、一戸あたりの面積制限などが設けられているので、農地の場合(広さが大きい為)は分割販売をする必要があることがほとんどです。
宅建業法上の制限や都市計画法・建築基準法の制限などがある為、分割販売が可能かどうかという問題もあります。
転用確認・地目変更のタイミングは4条と同じです。
買主と共同で農地転用の申請を行いますので、売却のリスクは少ないです。一般的に行われている農地の売却のほとんどがココに該当すると思います。
現実的には農地法の運用制限で、一戸あたりの面積制限などが設けられているので、農地の場合(広さが大きい為)は分割販売をする必要があることがほとんどです。
宅建業法上の制限や都市計画法・建築基準法の制限などがある為、分割販売が可能かどうかという問題もあります。
農地の売却は簡単に以下の形に分類できます。
農地の売却方法
第3種農地以外の農地 ⇒ 農地を農地として売る
第3種農地 ⇒ 立地の区域を確認
・市街化区域の農地・・・届出でほぼ問題なく売却可能
・市街化調整区域の農地・・・農地を農地として売る
・非線引き区域の農地・・・農地を農地以外の利用目的に応じて転用申請を行い許可後売る
・市街化区域の農地・・・届出でほぼ問題なく売却可能
・市街化調整区域の農地・・・農地を農地として売る
・非線引き区域の農地・・・農地を農地以外の利用目的に応じて転用申請を行い許可後売る
具体的な売却については以下を参考にして下さい。
不動産うるなび
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農地の地目を転用して売る?
「農地は地目を転用して売る」・・・この言葉には2つの違和感があります。
地目を転用と転用して売るという2つの重なるパートについてです。
間違っている2つの点
- 地目を転用ではありません。転用するのは農地です。地目は現況に合わせて変更するものです。
- 転用して売る・・・これが簡単にできるのは、市街化区域の農地だけです。
この2つの間違いについて掘り下げてみていきますね。
転用行為とは?
農地を農地以外の物(宅地や雑種地等)に現況を変更する行為です。造成工事などが転用行為に当たりますね。
農地を農地以外の物(宅地や雑種地等)に現況を変更する行為です。造成工事などが転用行為に当たりますね。
地目の転用って?
地目の転用なんて言葉は存在しません。地目は転用できませんから・・・。”農地の転用”もしくは”地目変更”のいずれかとの勘違いなのでしょう。
農地転用申請の通りに現場が転用されれば、転用確認、そして地目変更が可能になります。
ここまで出来て初めて農地法の縛りから解放されます。
農地から地目変更する為には、法務局へ申請をします。
農地である場合は法務局から農業委員会に問い合わせ確認があるので、農地転用申請の通りでなければいけないのです。
農地を簡単に転用できるのは市街化区域の農地だけ
市街化区域の農地は、農地法の「届出」で地目変更が出来てしまいます。つまり、そもそも農地法の縛りがほとんど無い状態の物です。
極端に言うと、農地と名の付く”宅地”なのです。
地方においては県庁所在地や特定行政庁に指定されている地域などにはその市街化区域と調整区域という線引きが存在していますが、そのほかの地域の多くからその線引きが廃止され、非線引き区域という区域別けに15年ほど前に移行しています。
どういうことかというと、市街化区域と調整区域という区域訳が存在しない地域になっていて、農地法・・・農地転用の運用が市街化区域と調整区域に対する運用ではなくなっているのです。
つまり、冒頭の「農地は地目を転用して売る」という行為が簡単には出来ないのです。
自治体によって細かい運用基準は違うのですが、農地法で言う転用行為は「農地は地目を転用して売る」という行為を認めていません。
というか、既に言葉が間違っています。
なので、間違った情報であるもしくは勘違いして書かれた情報なのです。
正しくは、
市街化区域の農地は転用(届出)して売る・・・売主にて転用しておくと売りやすい
非線引き区域の農地は転用許可申請をして売る・・・許可後売買前(契約条件で売主にて)もしくは売買後(買主にて)に転用行為が行われます。
なのです。
この違いを理解できなければ、実務の現場では大きな失敗を招くことがあります。
売買契約自体がそもそも成立していないなんてこともあり得ますので、この記事にたどり着いてくれた方にはくれぐれも間違えない様にして頂きたいです。