今日は怒っています。
だって、あまりにも頭の悪い司法書士が居たからです。
もちろん司法書士さんですから、学業や法律については我々よりも長けているんでしょう。
しかし現場の実務を何にも考えず、登記だけすればいい=自分の仕事だけすればいい というかなり自己本位すぎる登記に出くわしてしまいました。
何のことかよくわからないと思うので、相続や登記をする際に気を付けなければいけない事を踏まえて説明していきます。
相続人が多い場合の相続登記について
法定相続人が複数人要る場合には、将来的な事や、子供や孫の代の事を考慮して、相続登記をする事が望ましいのですが、何も考えず、アドバイスも無く、法定相続分通りに複数人で共有持ち分での相続登記を行う事が当然存在します。
確かに法律通りなんですが、法律通りに行う事が凄く危険な行為である事を、皆さんには知って欲しいです。
複数人の相続事例
法定相続人の数は6人
地上権が発生している
敷地内に地上権者の土地が含まれている
地上権者と法定相続人の代表者は売却して現金化したいという事で一致していた
お互いの面識が無い相続人が存在する
不動産の管理は地上権者が行ってきた
図で言うとこんな感じだ。
元々被相続人と建物所有者Xは兄弟で、親からの財産を適当な割合で相続していた。(そもそもこれも問題なのだが、まだ解決の見込みはあるので割愛する)
よくある身内同士の”なあなあ”で相続が行われていた訳だが、実際にその不動産を土地・建物について長年管理してきたのがXである。
そんな中、相続人Cが亡くなり、Cを除くAからGの6人で遺産分割協議を行わず、法定相続での相続登記が行われた訳である。
この行為自体はまったく問題ない。
法律に則って公平になされた行為だとも言えます。
しかし、そもそもA・BとXの意志は売却するという意見で一致していたのだから、この相続登記は決してやってはいけない行為と言えるのです。
売却するとなれば、Xとその他6人の同意、つまり7人の意見が一致する必要がある。
XとA・Bには面識があるが、そこまで懇意ではない。
D・E・F・Gに至っては面識は全くない。
さて、こんな状況の中で、7人の意見が一致する事はあるだろうか?
X以外はその不動産の存在する市には居住しておらず、東京や横浜、大阪などの都市圏に居住している。
そもそも土地の相場観も滅茶苦茶ズレているのである。
予想通り、D・E・F・Gとの金額の折り合いがつかない為、当然一致するはずも無く・・・。
二度と売れない不動産になろうとしているのです。
一つだけ、今のタイミングでの解決方法がある。
誰か一人が、他の6人から土地と建物を買い取る事だ。
そして値段を決めて売ればいい。
誰か一人が、他の6人から土地と建物を買い取る事だ。
そして値段を決めて売ればいい。
しかし、財政的に買い取れるだけの余裕が無ければこれも成立しない。
そうこうしているうちにX氏の体に異変が・・・。
AそしてBも70を超える年齢で、じきに新たな相続が発生する。
もうどうにもならない状況なのであるが・・・。
そして、それ以外は解決できない状況になってしまっているという事に気づいていない当事者もいるので、かなり難易度が上がってしまっている。
では、どうすれば良かったのか?
相続登記を行う際にするべき事
相続登記を行う際にするべき事を怠っているからダメなのです。都会に住む人が、田舎のどこにあるかも、どれだけの価値があるかもわからない様な土地を貰っても仕方ないですよね?
通常は売却する事になります。
つまり現金化する訳ですから、相続の段階で遺産分割協議を行い、現金で処理しておけば良かっただけなのです。
勿論不動産の売却と価格についての同意がなされるのであれば、今回の様な共有登記でも問題ありませんが、取り合えず法律通りに相続登記だけやってしまえ!という行為は、司法書士の、登記をするという仕事にしかなりません。
関係者が2人や3人までなら、まだ意思統一も図れるかもしれませんが、5人以上にもなると話がまともにまとまった試しがありません。
ロシアと中国と韓国と北朝鮮、そしてアメリカと日本が、
「取り合えず平和に行きましょう!」
と言っているのと似ていますね^^
方向性は同じはずなのに、中身は一致しない・・・
今回の事例の司法書士はその事を百も承知で、取り合えず登記だけ行ってしまったのです。
後のモメ事は知らんぷり・・・
別に犯罪ではありませんが、あまりにも不親切な行為と言えます。
相続で共有登記を行う際の注意事項
相続で共有登記を行う際の注意
- 相続権者の利害や意見・意向を必ずはっきりさせる。
- 今現在や、近い将来ではなく、未来を考えて登記をする。
- 出来る限り金銭でのやり取りを行い、3名以上の共有登記は避ける。
- 売却についての取り決めを必ずしておく(公正証書・遺産分割協議)
今回の例の共有登記は、相続された事すら知らない人が存在していました。
このような事が無い様に、極力事前に相談をし、お互いの取り決め事を細かくしておく事が大切です。
司法書士や行政書士に依頼をする際は、実務に十分長けた人で、デメリットをきちんと説明してくれる先生にお願いしましょう。
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