任意売却でも競売でも住宅ローンの残債は借金として残ります。
家の売却(任意売却・競売)で処理がなされた後には、借金が残るのです。
実は任意売却の専門家と自称する輩たちは、その後の事については無関心もしくは知らない様な事が当たり前で、売るのが仕事くらいにしか考えていません。
任意売却にせよ、競売にせよ、売りたくて売った訳でもなく、仕方ない状況があった為にそうなっただけです。
という事は、本人にとって一番大切な事は、任意売却後・競売後の生活と借金の残債についてどうすればよいのか?どうなっていくのか?という事です。
自己破産をすれば残債は無くなりますが、自己破産をしない・できない場合は、残債を支払っていく必要があります。
ではいったいどの様な形で、その後の生活と支払いが行われていくのでしょうか?
実際の経験談を元に、見ていきましょう。
任意売却後の残債についての基本
任意売却後の残債
- 債権者との話し合いで、月々無理のない支払いをしていく
- 自己破産をして残債を0にする
任意売却後の残債の支払いについては、この2つのいずれかになります。
任意売却でも競売でも住宅ローンの残債は借金として残る訳ですが、この残った残債は基本的には無担保のローンです。
不動産を売却した後、残債が確定しますので、債権者との話し合いで残債の支払いについて取り決めを行います。
月々1~2万円の支払いというケースが多いですね。
売却後の生活を安定させるのが一番ですので、無理のない支払い計画で取り決めを行う事が大切です。
500万円の残債で月1万円であれば、500か月+金利となりますので、41年以上・・・というか、生きている間はずっと返済しなければいけない形となります。
が、実際は債権譲渡が行われ、後で説明する例の様に、綺麗な体になるチャンスがやってきます。
チャンスに乗れるようにしておくと良いですね。
中には、総額を確定させ金利等もつかない状態で毎月支払いを行う形で、公正証書を捲くようなケースも存在します。
これであれば、完済するまで時間が掛かりますが、どこかできれいな体になれます。
ケースとしては両親が保証人で、保証人が不動産を所有している場合において、それを処分したくないような場合に、話し合いで取り決めをする様な場合ですね。
本来は、保証人にも残債の請求が行き、不動産があればその処分をしなければいけないのですが、十分な根拠と支払いについての真摯な態度があれば、応じてくれる金融機関も存在するのです。
これであれば、完済するまで時間が掛かりますが、どこかできれいな体になれます。
ケースとしては両親が保証人で、保証人が不動産を所有している場合において、それを処分したくないような場合に、話し合いで取り決めをする様な場合ですね。
本来は、保証人にも残債の請求が行き、不動産があればその処分をしなければいけないのですが、十分な根拠と支払いについての真摯な態度があれば、応じてくれる金融機関も存在するのです。
いずれにしても、残債はずっとついて回りますので、保証人などの絡みが無いのであれば、自己破産を任意売却と並行して行うと良いケースが多いです。
自己破産した方が、”復権”するのまでの時間が早いケースの方が多いですから。
自己破産だと5年で”復権”・・・つまり綺麗な体になります。
払い続けている間は、ずっと借金がある状態ですし、信用情報は”ブラック”の状態のままですから、周りの状況が許すのであれば自己破産する事も考慮する必要があります。
どちらが得かはその人の立場によって変わりますので、長けたプロに相談してみると良いでしょう。
任意売却後の残債の支払い。人生逆転パターンの例
M氏のV字回復
その方M氏は7年程前に離婚を経て、任意売却で購入したマンションを売却しました。その当時の任意売却後の残債は4,000万円。
仕事柄、自己破産はしませんでした。
月々1万円づつを永遠に?払っていくという約束を債権者と取り交わし、遅れたりしながらも、出来る範囲で支払いを7年間続けていました。
自分の新しい生活をしながらの支払いには、当然限界があります。
出来る限りの金額である1万円を、一生払い続けていくという生活を送っていました。
そんなある日・・・
今回債権譲渡によって当社が新しく返済の窓口になりました。
という怪しい連絡があり、M氏少し不安になっていました。
後日郵送でその内容の書類が届きました。
どうも正式な話で、きちんとした存在する会社である事が理解できたM氏の元に、再度連絡がありました。
実は債権譲渡に当たって、Mさんの状況が許されればですが、200万円をお支払い頂ければ、残りの残債は全て0にできるのですが・・・。
当然の申し出に戸惑ったM氏でしたが、
もう少し何とか安くならないの?流石に200万円は無理だから・・・
と、ほぼ冗談で言いました。
すると・・・
いくら位ならまとめてご用意出来そうですか?金額によっては社内で協議してみますが・・・
50万くらいなら…
流石に50万円は難しいですねぇ・・・。100万円くらい何とかならないですか?
う~ん・・・少し時間をくれますか?100万円で残債が無くなるのであれば、身内周りにお願いしてみますので・・・
わかりました。100万円で何とかなるように協議しますので、ご用意が出来るようならご連絡ください。
というような話が持ち上がったのです。
その相談を受けた私は、
100万円で手を打てるなら、少し無理してでも処理しておいた方がいいと思いますよ?
とアドバイスをしました。
2か月後・・・
綺麗な体になりました~!
と言って、完済証明の書類を持ってこられました。
そして・・・また数か月後・・・
なんとM氏は新しい中古住宅と、車と、そして新しい奥さんを手に入れたのです。
ポイント
- 債権は譲渡される可能性がある
- 譲渡されると残債を処理する為の話が持ち上がる事がある
- 処理されると完済された事になる(ローンが組めるようになる)
M氏の場合は任意売却後の仕事が定職で安定した事もあり、状況が揃った為、幸せな生活を取り戻すことが出来ました。
考えようによっては、4,000万円もの借金を100万円と毎月の支払い7年間(約84万円)でチャラにできたという事なので、サクセスストーリーともいえるでしょう^^
また、完済された事によって新しいローンを組めるようになった事も(信用情報について綺麗にできた為)、新しい自分に生まれ変わったかの如くなので、喜ばしい出来事となった訳です。
通常は、残債が残っている限り借財についての記録は残ります。
事故の記録も5年間は残っているはずなので、タイミングも良かったと言えます。
全ての歯車が噛み合えば、このようなV字回復も夢ではないのです。
もちろん自己破産をしていれば、4,000万円が残ることも無かったですし、5年で記録が消えている場合はもう少し早くローンが組めたかもしれません。
しかし、仕事の都合上、どうしても自己破産が出来ない職業もあります。
そういった場合でも、このような形でのV字回復が起こり得る事を知っておきましょう。